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キューバの民主活動家「反体制運動は戦略の見直しが必要」

フェレール氏は2週間前に米国に亡命。フロリダ州マイアミに拠点を移した。
2025年10月30日/米フロリダ州マイアミ、キューバの著名な活動家ホセ・ダニエル・フェレール氏(AP通信)

米国に亡命したキューバの著名な活動家であるホセ・ダニエル・フェレール(José Daniel Ferrer)氏は30日、分裂・弱体化したキューバの反体制運動は戦略の見直しが必要であると表明した。

フェレール氏はAP通信のインタビューで、「共産党に反対する活動家たちはキューバを離れ、別の場所で活動して共産党に対抗すべきだ」と語った。

フェレール氏は2週間前に米国に亡命。フロリダ州マイアミに拠点を移した。

フェレール氏はキューバを代表する民主活動家のひとりであり、野党組織「キューバ愛国連合(UNPACU)」の創設者の一人である。

1970年生まれで、2003年には「黒い春」と呼ばれる政治弾圧の中で逮捕され、反政府活動の罪で長期の禁錮刑を受けた。2011年に釈放された後も活動を続け、政府に対する批判を強めていった。

フェレール氏は平和的手段による民主的改革を訴え、言論の自由や人権の尊重を求めてきたが、たびたび拘束や監視、嫌がらせを受けてきた。

フェレール氏の扱いは国際社会でも注目され、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルや欧米諸国は同氏の釈放と人権の尊重をキューバ共産党に求めてきた。

フェレール氏は今年1月、500人以上の囚人を釈放するためのキューバとカトリック教会との交渉の末、釈放された。

しかし、当局は釈放条件に従わなかったとして4月にフェレール氏を再び投獄した。

フェレール氏はAPに対し、「囚人になったことで、私は抵抗の象徴となった」と語った。

またフェレール氏は「私もキューバに留まりたいと考えているが、難しいことを理解している。他の活動家たちも島外で戦略を構築すべきだと確信している」と述べた。

そして、「2021年に発生した大規模な反政府抗議運動を契機に政府が反対派への弾圧を継続したため、祖国を離れることを余儀なくされた」と強調した。

一連の取り締まりにより、市民社会グループ、活動家、ジャーナリストの国外流出が加速し、キューバ国内の反対勢力は弱体化している。

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