キューバ・ペソ暴落、闇市場で「1ドル=400ペソ」過去最低水準に

共産党指導部は昨年12月、経済改革の一環として、国内で流通する米ドルを吸収するため、経済の部分的なドル化が必要であると表明した。
キューバ、首都ハバナの通り(ロイター通信)

キューバ・ペソが暴落し、「1ドル=400ペソ」で取引されている。現地メディアが11日に報じた。

共産党主導の経済において部分的なドル化が進展し、基本物資の不足、急激なインフレ、インフラと公共サービスの悪化を背景に社会的な緊張が高まっているようだ。

輸入依存型のキューバのGDPは2019年以来、11%も縮小。共産党は米ドル為替を標的とする米国の制裁を非難している。

専門家は経済改革の遅さが記録的な不況を招いたと指摘している。

共産党指導部は昨年12月、経済改革の一環として、国内で流通する米ドルを吸収するため、経済の部分的なドル化が必要であると表明した。

部分的なドル化とは、特定の商品やサービスにおいて現地通貨のペソをドルに置き換えることを指す。

米フロリダ州マイアミを拠点とする「エル・トケ」によると、今年に入って闇市場のペソ取引価格は25%下落。市民の大半が闇市場でドルを入手している。

非公式市場におけるドルは1月1日時点で「1ドル=305ペソ」で取引されていた。

21年の取引価格は「1ドル=40~45ペソ」であった。

専門家によると、キューバの人口の約40%が送金などを通じて外貨にアクセスできず、ドル化とインフレが不平等を拡大している。同国の貧困率は90%と推定されている。

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