キューバ燃料危機、メキシコ政府の「人道支援」配布始まる
キューバの危機は2020年頃から深刻化していたが、2026年に入って状況はさらに悪化している。
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キューバでは燃料危機が深刻化する中、メキシコ政府が人道支援として食料品などの必需品の供給を開始し、多くの市民がメキシコ製の物資を受け取っている。支援物資はメキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領の指示で輸送され、燃料不足や停電が続く同国の困窮した市民の手元に届きつつあるようだ。
首都ハバナ近郊の男性(70歳)は19日、米や豆、アマランサス、クラッカーなどの食品が入った2つの大きな袋を手にした。そこには食用油や大きなサーディン缶、缶詰の桃なども含まれ、すべてに「メキシコ製」のラベルが貼られていた。男性は2人の子どもの父親で、「非常に感謝している。メキシコの大統領はこの気遣いと勇気を称賛されるべきだ」とAP通信に語った。
支援物資はメキシコ海軍の艦船に積まれ、先週キューバに到着した。積荷は総量800トンに達し、今後さらに1500トンの粉ミルクと豆が到着する予定だという。キューバ共産党はこれらの物資を、特に体重が低い子どもや高齢者を抱える脆弱な家庭を支援するために活用すると説明している。物資は国が管理する配給制度を通じて配られ、各地区の配給所の管理者が直接各家庭に届けた。
ハバナで850世帯を担当する28歳の配給所管理者はAP通信の取材に対し、「住民はこの寄付に非常に感謝している」と述べた。こうした支援は、日々の生活に直接役立つものとして歓迎されている。
キューバの危機は2020年頃から深刻化していたが、2026年に入って状況はさらに悪化している。トランプ政権はキューバを国家安全保障上の脅威とし、同国への石油輸送を禁じる制裁を強化した。これにより輸送や電力供給などのインフラが圧迫され、停電やガソリン不足が長期化している。かつてはベネズエラからの石油輸入に大きく依存していたが、米軍が大統領を拘束した影響で供給が途絶え、事態は一層深刻化した。
キューバは必要な燃料のうち40%しか国内で生産できず、外部からの供給に大きく依存している。そのため、輸入途絶は日常生活のほぼ全般に影響を及ぼしている。医療機関の稼働、飲料水供給、食料輸送などのサービスが停滞し、国民の生活に深刻な影を落としている。ロシアや中国などの伝統的な同盟国は米国の制裁を非難しているものの、実際の支援は限定的で、象徴的な反応にとどまっているとの指摘もある。
こうした背景を受け、メキシコからの支援はキューバ国民にとって重要なライフラインの一部となっている。支援物資が到着した地域では住民の表情に安堵が広がり、疲弊した日常に希望がもたらされた格好だ。しかし、長期的な危機の解消には、燃料供給の安定化や広範な国際協力が不可欠であり、今後も厳しい状況が続くと見られる。
