キューバ燃料危機、給油まで数カ月待たされるケースも
首都ハバナや各地のドライバーたちは政府がガソスタの混雑を避けるため義務付けたアプリ「Ticket(チケット)」をスマートフォンにダウンロードし、給油の順番を予約する必要がある。
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キューバで深刻な燃料不足が続き、多くのドライバーがガソリンを給油するまで数カ月間待たされる可能性がある。共産党が導入したスマートフォンの予約アプリで給油順番制が導入されたにもかかわらず、国民の不満は高まっている。
首都ハバナや各地のドライバーたちは政府がガソスタの混雑を避けるため義務付けたアプリ「Ticket(チケット)」をスマートフォンにダウンロードし、給油の順番を予約する必要がある。しかし、多くの利用者は、予約番号が数千番台、場合によっては数カ月先まで埋まっている状況であると述べている。ある高齢の利用者はAP通信の取材に対し、「番号は7000番台だ。いつガソリンが買えるのか分からない」と嘆いた。
このアプリは1回につき特定のガソリンスタンド1カ所の予約しかできず、定員も1日当たり50件程度に限られているため人気のスタンドでは競争が激しい。また、利用者同士がSNSでどのスタンドが比較的予約が取りやすいか情報交換をしているが、大多数のドライバーには十分な解決策になっていない。
共産党は自国通貨でのガソリン販売を停止し、米ドルでのみ提供する政策に切り替えた。ガソリンの標準価格は1リットル当たり約1.30ドルだが、闇市場では6ドル程度まで値上がりしているという報告もある。政府職員の月収が20ドル未満であることを踏まえると、市民生活への負担は非常に大きい。
給油予約がようやく回っても、ドライバーは1回の給油で20リットルまでしか購入できない制限があり、満タンにすることはほとんど不可能だ。この制限についても市民は「すぐにまた燃料が必要になる」「家族の急な用事で車を使えなくなる」と困惑を示している。
このアプリは国営ソフトウエア会社が提供し、当初は給油予約以外にも役場などの予約に使用されていた。しかし、燃料危機の深刻化に伴い、現在ではこのアプリ登録なしに正規のガソリンを入手する方法がほぼなくなっているという。アプリを通じて現在9万人以上が利用を申し込んでいるとされ、需要と供給のギャップが露呈している。
観光業に使われる特別ナンバープレートの車両は例外で、島内の特定のガソリンスタンドで給油できるが、こちらも1回20リットルの制限があり、長い列ができている。観光業界でも燃料問題が運行やサービスに影響を与えつつあるとの報道がある。
この燃料危機は米国がキューバへの石油供給に関税を課すなど圧力を強めている影響が背景にある。主要石油供給国のベネズエラやメキシコからの供給が停止したためだ。燃料不足は停電や輸送の停止、日常生活サービスの混乱にも波及しており、国民の生活への深刻な影響が懸念されている。
