◎国営テレビによると、結果は26日に公表される予定。
キューバで25日、同性婚や同性カップルの養子縁組を認める法改正の是非を問う国民投票が行われた。
キューバ共産党は2年ごとに選挙を行っているが、共産党以外の政党の活動を認めておらず、国民投票を行うことも滅多にない。
共産党が起草した400以上の条文からなる「家族法」に反対する市民はほとんどいないと考えられているが、国営テレビによると、教会コミュニティから疑問の声が多数寄せられたという。
この法律は代理出産、祖父母の権利拡大、高齢者の保護、性暴力対策も含んでいる。
共産党のディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は25日、首都ハバナの投票所で記者団の取材に応じ、法律に理解を求めた。「国民の大多数が賛成票を投じると思っていますが、問題があることも理解しています...」
国営テレビによると、結果は26日に公表される予定。
ハバナでAP通信の取材に応じた女性は、「同性愛者の権利を尊重をすべきだ」と語った。
あるツイッターユーザーは、「ゲイカップルに普通の家族と同じ権利を与えるべきではない」と投稿している。
共産党は昨年、全国各地で何千もの説明会を開催し、法律を起草、承認した。
共産党高官は法律をおおむね支持しているようだ。ラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の娘はこの法律を「必要不可欠」と宣伝している。
しかし、キューバでは福音派の教会が増え続けており、不満を表明する教会関係者も多い。一部の宗教指導者はこの法律が核家族を弱体化させるのではないかと懸念し、公の場で反対を表明している。
キューバ革命の英雄フィデル・カストロ(Fidel Castro)元国家評議会議長率いる1960年代以降のキューバは過激な無神論集団だったが、この四半世紀で宗教に対してより寛容になっている。
共産党はローマカトリックだけでなくプロテスタントやイスラム教などの活動も認めている。
一部の教会は2018年と2019年、同性婚を認める法改正の是非を問う国民投票に反対し、集会を開催した。
共産党は教会の反発を受け、国民投票を諦めた。