◎これまでに少なくとも4回大規模な爆発が発生し、80人近くが負傷した。
キューバ政府は6日、マタンサス州沿岸の石油備蓄基地で落雷による火災と爆発が発生し、消防士17人と連絡が取れなくなったと発表した。
州政府によると、これまでに少なくとも4回大規模な爆発が発生し、80人近くが負傷したという。
キューバ共産党は「友好国」の専門家に支援を要請したとしている。
共産党の報道官によると、5日遅くの落雷で火災が発生し、消防が消火活動に当たっていたという。外務副大臣は自身のツイッターアカウントに、「米国が技術支援を提供してくれた」と投稿している。
ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領はロシア、ニカラグア、メキシコ、アルゼンチン、チリの支援に感謝すると声明を発表したが、米国には言及しなかった。
国営テレビは消防当局の話を引用し、「落雷でタンク1基から火災が発生し、その後別のタンク2基に燃え広がった」と報じている。
軍用ヘリが上空から水をまくと黒煙が舞い上がり、首都ハバナ方面へ流れた。
専門家によると、石油基地の火災では燃焼表面を泡で覆って空気を遮断する泡消火剤などが使用されるという。
州の消防局は声明で、「延焼していないタンクを保護するために周囲に水をまいている」と報告した。
州政府がフェイスブックに投稿した声明によると、負傷者は77人に達し、消防士17人と連絡が取れなくなったという。この17人は火災が発生したタンク近くで消火に当たっていたと伝えられている。
この火災は燃料不足に苦しむキューバの経済に大打撃を与える可能性がある。政府によると、基地内にはタンクが8基ある。消防は3基で火災が発生したこと報告している。
対岸の地区で爆発を目撃したという男性はAP通信の取材に対し、「ものすごい衝撃で、窓ガラスがビリビリ揺れた」と語った。
消防によると、基地近くの住民約800人が避難したという。
共産党の報道官は6日未明の声明で、「ディアスカネル大統領はマタンサス州の火災現場を視察し、その後州政府高官と会談する予定」と発表した。