◎キューバは米国の経済制裁を含む複数の問題に対処できず、ここ数十年で最大の移民危機に直面している。
キューバ共産党は30日、2歳の女児を含む亡命希望者7人が死亡した移民船の沈没事故について、沿岸警備隊の船が体当たりして沈めたという告発を否定した。
このボートは10月、首都ハバナの沖合で沈没した。国営テレビによると、ボートは6人乗りだったが、26人が乗船していたという。
共産党の報道官は声明で、「ボートは沿岸警備隊の目の前で急旋回を試み、ひっくり返った」と説明した。
しかし、犠牲者の遺族や生存者の知人などはSNSに、「沿岸警備隊が船を撃沈した」と投稿している。
キューバは米国の経済制裁を含む複数の問題に対処できず、ここ数十年で最大の移民危機に直面している。
共産党の報道官は国営テレビの取材の中で沿岸警備隊の証言を引用し、「ボートは突然急旋回し、ひっくり返った」と説明した。
しかし、事故で死亡した2歳女児の叔父はAP通信の取材に対し、「沿岸警備隊の船はボートの後方に激突した」と語った。「彼らは背後から急接近し、ボートを沈めたのです...」
この叔父はボートに乗っていなかったが、女児の姉から話を聞いたという。姉は妹を失ったショックから立ち直れずにいるとのこと。
叔父はAPに、「沿岸警備隊は救助した人々を殴り、そのせいで死んだ人もいた」と語った。
叔父によると、姉は妹を抱いていたが、衝突の衝撃で意識を失い、沿岸警備隊に救助された後、目を覚ましたという。
米税関・国境警備局(CBP)によると、今年米国に陸路で入国を試みたキューバ人は22万人を超え、前年から471%も増加したという。
海上で保護されたキューバ人は11月中旬時点で約6200人と報告されている。