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キューバ共産党が燃料不足に対処、国民に「忍耐」求める

キューバは現在、食料、燃料、医薬品不足に直面しており、政府は燃料配給制度を導入しつつ、医療、教育、農業、上下水道、国防など生活・社会基盤の維持に重点を置く方針を示している。
2026年2月7日/キューバ、首都ハバナ(ロイター通信)

キューバ共産党は今週、米国が同国への石油供給を断つ圧力を強める中で、燃料不足による影響を抑え主要な公共サービスを維持するための対策を発表した。キューバは現在、食料、燃料、医薬品不足に直面しており、政府は燃料配給制度を導入しつつ、医療、教育、農業、上下水道、国防など生活・社会基盤の維持に重点を置く方針を示している。

政府は今週、燃料配給計画の詳細を説明した。計画では燃料を優先的に供給する分野として農業生産、教育機関、飲料水供給、医療サービス、国防を挙げたほか、観光業や輸出関連分野にも燃料を割り当てるとした。これは外貨獲得によって国の基本的なプログラムの財源を確保するためとされる。

国内外の航空便は当面影響を受けない見込みだが、自家用車など一般の交通利用者は燃料供給の制限を受け、燃料価格や利用に制約が出る恐れがある。政府はまた港湾や国内輸送の燃料確保にも努め、輸入・輸出インフラの維持を図る方針だとしている。

さらに、食料自給の強化策として20万ヘクタール規模の稲作地植え付け計画も打ち出した。燃料不足のため灌漑には再生可能エネルギーや人力・動物力を活用せざるを得ないとの見通しも示された。

教育面では、幼児保育施設や初等教育は通常通りの対面授業を維持する一方、中等・高等教育は柔軟なハイブリッド型の授業形式を導入するとの方針を教育相が説明した。医療面では緊急医療、産科、がん治療など重要な診療分野を優先的に維持するとの説明がなされた。

これらの発表は、米国がキューバに対し原油供給を事実上断つ圧力を強めている状況を受けたものだ。トランプ(Donald Trump)大統領はキューバに燃料を供給する国に対して追加関税を科す可能性を示唆し、これを受けてメキシコなどがキューバ向け石油供給を停止した。

キューバの燃料不足は日常生活にも深刻な影響を及ぼしており、公共交通機関の運行停止や長時間の停電、食品・医薬品の供給不安などが広がっている。こうした中で、共産党は国民に対し「耐乏生活」への協力と団結を呼びかけているものの、生活環境の悪化や国民の不満が高まる可能性も指摘されている。

対立が続く米キューバ関係は今後、燃料供給問題を巡る外交交渉や国際社会の関与次第でさらに緊張が高まる可能性がある。

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