キューバ、米国の人道支援受け入れへ、ハリケーン被災地に提供
米国務省はこれに先立ち、キューバ当局に対し支援物資の受け入れや配布に干渉しないよう強く警告し、従わない場合にはトランプ大統領が対応に乗り出す可能性があるとの姿勢を示した。
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キューバ政府は15日、昨年10月のハリケーン・メリッサにより被災した国民を支援するために米国が提供する人道支援を受け入れると表明した。米国務省はこれに先立ち、キューバ当局に対し支援物資の受け入れや配布に干渉しないよう強く警告し、従わない場合にはトランプ(Donald Trump)大統領が対応に乗り出す可能性があるとの姿勢を示した。こうしたやり取りは、両国間の緊張が続く中での外交的な緊迫感を反映している。
米国が提供する支援は総額約300万ドルに上るとされ、ハリケーンで被災した地域の住民に食料や生活必需品などを届けることが目的だ。国務省の高官は支援物資が適切にキューバ国民に届くよう監視を行うと述べ、「この地域は我々のテリトリーである」と強調した。
この支援物資はキューバ国内のカトリック教会を通じて配布される予定で、米側は宗教団体を介して提供することで政府の直接関与を避ける方針を示している。一方でキューバ外務省は米国の支援を歓迎しつつもその意図に強い疑念を表明している。キューバ外務省は声明で、米国の行動を「機会主義的」で「政治的操作」と批判し、トランプ政権が自国の政治的目的を達成するために人道支援を利用していると非難した。声明では正式な政府間の調整がなかったことも指摘され、支援の受け入れは条件なしで行うが、すべての支援は公式のチャネルを通じて適正に配布されるべきだと主張した。
キューバは近年、経済やエネルギー供給の困難に直面している。現在、同国はベネズエラからの原油供給の停止や長年にわたる米国の経済制裁の影響で燃料不足や停電が常態化しており、国民生活への影響が深刻化している。こうした状況の中での人道支援は一定の支援効果が期待される一方で、その政治的な含意が議論の的となっている。
米国は今回の支援提供と合わせて、キューバに対して「外交的交渉」を促す圧力を強めている。トランプ氏は先週、キューバがベネズエラとの関係を再構築しない限り更なる経済的圧力を加える可能性を示唆、キューバ側は「他国が内政に干渉するべきではない」と反発している。キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は国の主権を守る立場を強調し、外部からの政治的条件や干渉を受け入れない姿勢を示している。
人道支援の配布と両国間の政治的な応酬は、今後の米キューバ関係の行方に大きな影響を与える可能性がある。支援物資が地元住民にどのように届けられ、政府間の調整が進むのかが注目されていると同時に、米国の政策がキューバ国内の政治や地域の地政学的な力学にどのような波及効果をもたらすかについても国際社会の関心が集まっている。
