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キューバ国内で「破壊的な」プロパガンダ活動、パナマ人10人逮捕

この逮捕劇はキューバ国内における「国家の安全と秩序」を強調する共産党の姿勢が鮮明になった事例と位置付けられている。
2025年1月15日/キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

キューバ政府は2日、「破壊的な」プロパガンダの制作と配布を目的とする活動をしたとして、10人のパナマ国籍者を逮捕したと発表した。内務省によると、摘発は首都ハバナで2月28日に実施されたという。

同省はこの10人について、「反政府的な内容の横断幕や資料を作成するために入国し、任務完了後に帰国することを条件に報酬を受け取る契約をしていた」と説明した。また同省は初期の取り調べで10人が罪を認めたと述べたが、プロパガンダの内容については明らかにしていない。

10人は全員パナマ国籍者で、「憲法秩序に反する破壊的な内容」の標語やプロパガンダを制作する任務を遂行していたとされる。政府は彼らが任務を完了した後、帰国すればそれぞれ1000ドル~1500ドルの報酬を得る条件で動いていたと説明した。10人の身元は明らかにされていないが、政府はその供述を踏まえて捜査を進めているとしている。

パナマ外務省はこの発表に対してコメントを出していない。キューバとパナマの間で外交的なやり取りが行われているかについても現時点で確認されていない。

この逮捕劇はキューバ国内における「国家の安全と秩序」を強調する共産党の姿勢が鮮明になった事例と位置付けられている。共産党は長年にわたり、反政府的な活動や表現を厳しく取り締まり、統制下にない政治的表現を「破壊的」「反革命的」と見なしてきた歴史があり、今回のような外国人の関与に対しても国内法による厳重な対応を続けている。

また、今回の逮捕発表は数日前に発生した別の事案と関連して伝えられている。キューバ政府は米フロリダ州登録のスピードボートでキューバ領海に接近した重武装のキューバ人たちがパトロール部隊に発砲したとして、4人を射殺したと報告。この事件について米政府と情報交換を続けているとしている。両国間で調査が進行中で、この衝突は地域の安全保障を巡る緊張を象徴するものとして報じられている。

国際的な反応はまだ限定的だが、キューバ国内外で人権団体や表現の自由を支持する人々から、外国人の拘束やプロパガンダ活動への取り締まりへの懸念が表明される可能性もある。また、政治的に敏感な時期における外国人の活動に対するキューバ当局の対応は、同国の情報統制や治安政策をめぐる議論を呼び起こすことが予想される。

拘束されたパナマ国籍者に対する起訴内容や裁判の動き、また両政府間の外交対応についての続報が今後の焦点となる。

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