キューバ、空港での燃料供給停止、エネルギー危機深刻化
首都ハバナをはじめとする国内の主要空港では2月10日から3月中旬にかけて「航空機燃料(Jet A-1)」の供給がなくなる見込みで、これにより航空会社はキューバで燃料補給ができなくなる。
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キューバ共産党は9日、深刻化するエネルギー危機のなかで航空機への燃料供給を当面停止すると航空各社に通知した。首都ハバナをはじめとする国内の主要空港では2月10日から3月中旬にかけて「航空機燃料(Jet A-1)」の供給がなくなる見込みで、これにより航空会社はキューバで燃料補給ができなくなる。複数の航空会社が対応を迫られる可能性が出ている。
この燃料不足は米国による対キューバ制裁の強化が背景にある。トランプ(Donald Trump)大統領はキューバに石油を供給する国に対して追加関税を課す方針を打ち出し、長年キューバの主要な燃料供給源だったベネズエラやメキシコからの石油輸入が停止している。特にベネズエラからの原油・燃料供給は昨年末以降途絶し、これが燃料危機を決定的に悪化させたとみられる。
キューバの航空当局は声明で、国内の9つの国際空港で航空機向け燃料が「利用できない」と通知した。この通知は2月10日午前5時から3月11日午前5時まで有効とされ、島内各地の国際空港で燃料供給が停止する。航空各社は目的地に到着する前に他国で給油するか、出発時に十分な燃料を積んで運航する必要がある。
この燃料危機を受け、カナダの大手エアカナダはキューバ便の運航を一時停止すると発表した。同社は9日、燃料不足を理由にキューバ発着便の運航を見合わせ、約3000人の乗客を本国に戻すために片道便を飛ばす計画を明らかにした。カナダはキューバの観光業にとって欠かせない市場のひとつであり、この措置は観光産業への打撃をさらに強めるとみられている。
一方、他の航空会社は運航継続のために代替策を模索している。スペインのエア・ヨーロッパはドミニカ共和国やメキシコなど近隣国での給油を検討しているとされる。また、米国のアメリカン航空やデルタ航空は現時点で直接的な運航への影響は出ていないものの、長距離路線では給油計画の再構築が必要になる可能性があるという。
燃料不足は航空業界だけの問題にとどまらない。キューバ国内では電力供給の不安定化や公共交通機関の運行制限、燃料価格の高騰といった日常生活への影響が顕在化している。銀行の営業時間短縮や文化イベントの中止、ガソリン販売を米ドル建て・制限付きで実施する動きも見られ、国民生活への負担が増している。観光シーズン真っ只中にこうした事態が発生したことで、共産党はさらなる緊縮政策を余儀なくされる可能性がある。
キューバのエネルギー危機は自国での燃料生産能力が限られる中、国外からの輸入に大きく依存してきた構造的問題と、米国の圧力が重なった結果として深刻化している。政府は対策として燃料の消費抑制や経済調整を進めているが、解決策が見えない状況が続いている。
