キューバ大統領「米国との協議行われていない」トランプ圧力に反発
トランプ氏は11日、米軍によるベネズエラの攻撃が実施され、独裁者のマドゥロ大統領が拘束されたことに絡めて、キューバに対し「取引を成立させよ」とSNSに投稿した。
とトランプ米大統領(Getty-Images).jpg)
キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は12日、トランプ米政権と現在正式な交渉は行っていないと明言した。これはトランプ(Donald Trump)米大統領がベネズエラに対する軍事攻撃の直後にキューバへの圧力を強め、「手遅れになる前に取引に応じるよう求める」と発言したことを受けたものだ。ディアスカネル氏はこれらの発言に強く反発し、米国との関係改善は「国際法に基づくものでなければならない」と強調した。
トランプ氏は11日、米軍によるベネズエラの攻撃が実施され、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が拘束されたことに絡めて、キューバに対し「取引を成立させよ」とSNSに投稿した。この中で具体的な条件は明らかにされなかったが、米国はベネズエラからキューバへの石油や資金の流れを断つ意向を示し、圧力を強めている。ベネズエラはキューバ最大の石油供給国であり、キューバはその支援に大きく依存してきた。
これを受け、ディアスカネル氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「米国との関係が進展するためには、敵意や脅し、経済的強制ではなく国際法に基づくべきだ」と強調した。また「我々は常に主権の平等、相互尊重、国際法の原則、相互利益の基礎に立った真剣かつ責任ある対話に前向きである」と述べ、米側のアプローチを批判した。
ディアスカネル氏はまた、米国との公式な対話は現時点では行われておらず、移民問題に関する技術的な連絡があるのみだと明言した。この発言は、米国との関係改善を希望しつつも、自国の主権と独立を強く守る立場を示すものとなった。
この背景には、キューバの深刻な経済・エネルギー危機がある。ベネズエラからの石油輸送が途絶えたことで、燃料不足や停電が広がり、国民生活は厳しい状態にある。さらに米国の長年にわたる経済制裁も影響、共産党はその打撃を強調している。米国からの圧力や脅しが続けば、経済状況はさらに悪化するとの懸念が専門家の間で広がっている。
専門家の中には、ディアスカネル氏が対米交渉を完全に拒絶しているわけではないとする意見もある。米国との交渉は可能だが、それは互いの主権を尊重する条件のもとでなければならないという立場だ。交渉の可能性については、移民や安全保障といった分野での協議が今後進む可能性を指摘する声もある。
一方で一般市民の間には、不安と期待が混在している。キューバ国内では米国との関係改善を望む声がある一方で、外部からの圧力に対する反発も根強い。トランプ政権による強硬な姿勢が今後どう影響するかについては不透明感が強く、キューバ政府の対応と国際社会の動きが注目されている。
