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キューバの送電網崩壊、今月3度目のブラックアウト発生


キューバでは今月、4日と16日にもブラックアウトが発生していた。
2026年3月16日/キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

カリブ海の島国キューバで21日、今月3度目となる全国規模の停電が発生した。国営電力会社は送電網が崩壊したと報告している。それによると、中部カマグエイにある火力発電所の故障が引き金となり、送電システム全体が連鎖的に停止したという。

今回の障害により、島内全域で電力供給が途絶え、病院や給水施設など一部の重要インフラを除き、多くの市民が暗闇の中での生活を余儀なくされた。非常用として小規模な発電網(マイクログリッド)が稼働したものの、電力供給は限定的、国民生活への影響は深刻である。

キューバでは今月、4日と16日にもブラックアウトが発生していた。背景には老朽化した発電設備と慢性的な燃料不足がある。国内の発電インフラは長年の投資不足により劣化が進み、故障が頻発している。

さらに深刻なのが燃料供給の問題である。共産党は自国で必要とする燃料の約4割しか確保できておらず、発電能力そのものが制約されていると説明する。主要な供給源であったベネズエラからの輸出が途絶えたほか、メキシコからの供給も停止し、エネルギー事情が一段と悪化した。

米国による制裁も影響している。トランプ政権はキューバへの石油供給を制限する政策を強化、共産党はこれが燃料不足と電力危機を招いていると批判する。一方、米側はキューバの経済体制やインフラ管理の問題が根本原因だと指摘、双方の主張は対立している。

停電は市民生活に直結する問題である。電力不足により冷蔵設備が使えず食品の腐敗が相次ぐほか、断水や通信障害も発生し、日常生活や経済活動が影響受けている。地域によっては1日最大20時間の計画停電が常態化しているとされる。

専門家はキューバの電力危機について、短期的な対処では解決が難しく、老朽化した発電所の更新や送電網の再整備など、数十億ドル規模の長期投資が必要だと指摘する。しかし外貨不足に苦しむ同国にとって、こうした大規模改革の実現は容易ではない。

度重なる停電は国民の不満を高めており、各地で抗議デモも報告されている。電力危機は単なるインフラ問題にとどまらず、経済や政治の安定にも影響を及ぼす深刻な課題となっている。共産党は復旧作業を急ぐとともに、外国投資の呼び込みなど経済改革も模索しているが、状況の改善には時間を要するとみられる。

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