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キューバ燃料危機、恒例の葉巻見本市も延期に

主催する国営企業ハバノスS.A. は声明で、燃料不足や大規模な停電が続き、イベントの品質や運営の水準を維持することが困難になったためとしている。
2026年2月14日/キューバ、首都ハバナの防波堤(AP通信)

キューバ政府は14日、毎年2月末に開催される恒例の葉巻見本市「ハバノス・フェスティバル」を延期すると発表した。主催する国営企業ハバノスS.A. は声明で、燃料不足や大規模な停電が続き、イベントの品質や運営の水準を維持することが困難になったためとしている。新たな開催日は未定である。

この見本市は世界中の葉巻愛好家や業者、専門記者らが集まり、葉巻工場の見学やオークション、最新の手作り葉巻の展示などが行われるキューバ最大級の文化・商業イベントである。昨年は数百万人が参加し、手巻き葉巻の落札で1800万ドル以上の取引が成立した。ハバノスS.A.はかつてない燃料危機を理由に「高い品質基準を保つことができない」「苦渋の決断」と説明している。

延期の背景には、米国による対キューバ制裁・圧力がある。トランプ政権は1月末、キューバへの石油供給をする国に追加関税を課す方針を打ち出し、これにより主要な供給元であるベネズエラとメキシコからの原油輸送が停止した。キューバはエネルギーの約6割を輸入に依存し、燃料不足が深刻化している。

燃料不足は電力供給にも直結し、全国で停電が頻発。通信や医療、公共交通機関など基本的な社会インフラにも影響が出ており、多くの市民が困難に直面している。複数の国際航空会社がキューバ行きのフライトをキャンセルしたり、運航計画を変更した。また観光業に打撃が出た結果、一部のホテルが閉鎖されるなど経済全体への波及が広がっている。

見本市延期の発表と合わせ、他の文化行事の中止や延期も相次いでいる。国際的な書籍イベントも同様に見送りが決まり、共産党は燃料と電力の節約策として公共サービスの削減や特定地区での計画停電を実施している。こうした対応は住民からの不満を招きつつも、国家としての危機管理策として進められている。

共産党は米国の「経済、商業、金融封鎖」が状況悪化の主因だと非難してきた。一方で米国側は政治・経済改革をキューバに求める姿勢を崩していない。燃料不足は今後も続く見通しで、市民生活や主要輸出産業である葉巻製造・販売に深刻な影響を与え続ける可能性がある。米国との緊張が高まる中、キューバが国内外の圧力にどのように対応していくかが注目されている。

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