キューバ燃料危機、米軍の海上封鎖で「医療制度」崩壊寸前
共産党はトランプ政権が燃料供給に対する圧力を強めた結果、医療サービスの維持が極めて困難になっていると述べ、国民の健康と安全に重大なリスクが生じていると警鐘を鳴らしている。
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キューバの公的医療制度が米国による海上封鎖の影響で崩壊寸前に追い込まれている。保健省が20日、明らかにした。共産党はトランプ政権が燃料供給に対する圧力を強めた結果、医療サービスの維持が極めて困難になっていると述べ、国民の健康と安全に重大なリスクが生じていると警鐘を鳴らしている。
ミランダ(José Angel Portal Miranda)保健相は首都ハバナの記者団に対し、「進行中の燃料不足は単なる経済問題ではなく、市民の安全に直接影響を与えている」と強調した。キューバの医療制度は長年にわたって物資不足や人材不足、薬の欠乏に悩まされてきたが、最近では燃料危機がそれらの問題をさらに深刻化させているという。
共産党は燃料不足により、救急車が燃料を確保できず緊急対応が滞る事例や、病院での停電や医療機器の稼働停止が頻発していると指摘している。空港での医療用航空機の燃料補給も不可能になり、必要な薬や医療機器の搬送にも影響を与えている。これにより、がん患者の放射線治療や化学療法、心血管疾患治療、腎疾患治療といった重要な医療サービスが危機に瀕している。
キューバでは全国で500万人以上が慢性疾患を抱え、その多くが薬や治療を必要としている。特に放射線治療を要するがん患者約1万6000人、化学療法を受けている患者約1万2400人が治療の継続に深刻な不安を抱えているという。医療当局は燃料不足による電力供給の不安定化で機器が停止することが日常化しつつあり、これが早期発見や治療に支障を来していると訴えている。
米国による海上封鎖はここ数週間で一段と強化され、キューバは自国で消費する石油の約60%を輸入に頼っているにもかかわらず、主要な供給源であるベネズエラからの石油が途絶した。これに加えて、米国が他国に対してキューバ向け燃料の供給を阻止する政策を打ち出したことが、事態をさらに悪化させている。共産党はこの圧力が国際的な人道的危機を引き起こす可能性があるとして国際社会に支援を求めている。
政府側は燃料不足への対策として、太陽光パネルの導入やエネルギー使用優先順位の見直しなど緊急対策を講じているが、根本的な解決には十分な燃料供給の回復が不可欠としている。
一方で、この燃料危機は医療分野だけでなく、交通機関の縮小や食料不安、電力不足といった他の分野にも深刻な影響を及ぼし、国全体を巻き込む人道危機に発展するとの懸念が高まっている。国連や複数の国際機関はキューバの状況に深刻な懸念を表明し、緊急支援や対話による解決の必要性を訴えている。
キューバ共産党は燃料供給が再開されなければ医療制度が崩壊するとして、米軍による海上封鎖の解除を求めている。
