キューバ共産党、ベネズエラの将来をめぐる米国との接触を否定
米国はカリブ海や東太平洋で「麻薬密輸船」を標的とする武力行使を強化しており、こうした動きを巡ってキューバとベネズエラは米国が武力介入あるいはマドゥロ政権の転覆を狙っていると警戒してきた。
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キューバ共産党は8日、米国との間で、南米ベネズエラの将来に関する協議を行った、という報道を「事実無根」と否定した。
外務省の次官は声明で、「報道のような接触は一切なく、ベネズエラの内政はベネズエラ政府の専権だ」と述べ、匿名情報源に基づいた報道を「ばかげており、虚偽」と切り捨てた。
この否定声明は米国とベネズエラ、そしてキューバとの間で高まっている緊張のただ中で出された。米国はカリブ海や東太平洋で「麻薬密輸船」を標的とする武力行使を強化しており、こうした動きを巡ってキューバとベネズエラは米国が武力介入あるいはマドゥロ政権の転覆を狙っていると警戒してきた。
一方で、今回の報道を伝えたメディアは、キューバ内の「ある勢力」が米当局と非公式な接触を持ち、「マドゥロ政権なしのベネズエラ」をどう描くかについて協議した可能性があると伝えていた。
関係者はいずれも匿名を条件としており、具体的な時期や相手、話された内容は不明である。
こうした報道について、キューバ側は明確に否定。一方、米国側はキューバとベネズエラを通じた米州地域の安定性への脅威を指摘し、両国が不安定要因になっていると批判している。
ただ、キューバは麻薬取締りに関しては引き続き米国と協力する姿勢を示している。キューバ当局はカリブ海域での麻薬密輸の取り締まりにおいて、米沿岸警備隊に対し情報提供を続けていると明言した。これをもって、キューバは「麻薬対策においては透明かつ協力的であり、地域の平和と安定を守る姿勢に変わりはない」と主張する。
しかし、匿名情報による「キューバから米国への接触」の報道をめぐる混乱は米国の対ベネズエラ政策、ひいては中南米全体における大国の影響力と同盟関係のあり方への疑念を改めて浮き彫りにするものだ。今後、さらに信頼できる情報や、関係当局からの追加の説明が求められる。
