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トランプ氏、キューバへのベネズエラ産石油・資金供給停止を表明

キューバは長年、ベネズエラからの石油供給に依存してきたが、その関係が急激に崩れつつあることは同国のエネルギー供給や経済状況に深刻な打撃を与える可能性がある。
2024年11月8日/キューバ、首都ハバナ近郊の通り(AP通信)

トランプ(Donald Trump)大統領は11日、キューバが今後ベネズエラから石油や資金を受け取ることはないと断言し、共産党に対して米国と「ディール(取引)」を結ぶよう強く促した。トランプ氏は自身のソーシャルメディアに声明を投稿。「これからキューバに石油や金は一切行かない。ゼロだ」と表明し、「手遅れになる前にディールに応じることを強く勧める」と述べた。ベネズエラは長年キューバ最大の石油供給国だったが、先週の米国の軍事作戦と封鎖措置により石油の出荷が停止している。

トランプ氏の発言は、米軍がベネズエラの独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を拘束し、同国の暫定政権が米国寄りの体制へと転換しつつある中で出されたもので、対キューバ政策の強硬な姿勢を改めて示すものとなった。米国は最近、ベネズエラ産原油の管理権を握ろうとする動きを見せ、暫定政権との交渉を通じて石油の米国向け輸出拡大を図っている。

これに対し、キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は強い反発を示した。ディアスカネル氏は「キューバは自由で独立した主権国家であり、誰にも指図されることはない」と表明し、国の防衛を誓った。また外相も、キューバがベネズエラへの支援の見返りに報酬を受け取っていたとの米側の主張を否定した。

トランプ氏はマドゥロ拘束後にベネズエラ産原油の販売収益を管理する大統領令に署名し、収益の差し押さえを防ぐ措置も取っている。これらの動きは、地域内での米国の影響力拡大を意図した戦略との見方があるが、キューバは「地域の安定と世界の平和を脅かすもの」と非難している。

キューバは長年、ベネズエラからの石油供給に依存してきたが、その関係が急激に崩れつつあることは同国のエネルギー供給や経済状況に深刻な打撃を与える可能性がある。ベネズエラの原油は石油精製や発電、輸送燃料など幅広く活用されてきたため、供給停止が続く場合、キューバ国内での燃料不足や電力供給の不安定化が懸念されている。経済は既に長年にわたる米国の制裁で疲弊し、今回の動きがさらなる不安を招くとの見方も出ている。

一方、米側はキューバに圧力をかけることで、政治的譲歩や新たな交渉の道を開こうとしているとの分析もある。トランプ氏は声明で、米国は世界で最も強力な軍事力を有し、ベネズエラについては米国が同国を守る立場にあると強調した。これら一連の発言は、米国とキューバ、ベネズエラを巡る緊張が今後も高まる可能性を示唆している。

今回の対立は米国政策の転換点であり、キューバ側がどのような外交的・経済的対応を取るかが地域の安定に大きな影響を与えるとみられている。

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