コスタリカ、「エルサルバドル式」刑務所の建設開始
中米で最も安全な国と長年考えられてきたコスタリカは近年、麻薬組織やギャングに起因する殺人事件の急増に直面している。
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コスタリカ政府が13日、エルサルバドルの巨大刑務所をモデルとする最高セキュリティーの刑務所の建設を開始すると発表した。
中米で最も安全な国と長年考えられてきたコスタリカは近年、麻薬組織やギャングに起因する殺人事件の急増に直面している。
2023年には過去最悪の殺人率を記録。世論調査では治安の悪化が国民の最大の懸念事項として挙げられ、26年に予定される総選挙の主要なテーマに浮上している。
司法省は声明で、「エルサルバドル政府がこの建設プロジェクトに技術支援を提供している」と明らかにした。
また同省は「国内の刑務所の30%が過密状態にあり、収監中のギャングリーダーが犯罪組織を継続して運営できる状況を生み出しているため、新たな刑務所が必要不可欠である」と説明した。
さらに、「新しい刑務所を造らなければ、システムは崩壊し、紛争、殺人事件、暴動のリスクが劇的に高まるだろう」と述べた。
新しい刑務所の収容数は5100人を想定し、同国の収容能力を40%増加させる設計となっている。建設費は3500万ドルと見積もられている。
コスタリカの23年の殺人件数は906件で、22年の654件を大幅に上回り、過去最高を更新した。
24年は880件に減少したが、政府の統計によると、今年も昨年とほぼ同じペースで殺人が発生している。
コスタリカの人口は約520万人、人口10万人あたりの殺人件数は約17件となっている。