◎投票率は約60%。投票所ではコロナ制限に基づき、マスクの着用、手消毒、社会的距離の確保が求められた。
2022年2月6日/コスタリカ、首都サン・ホセの投票所(Carlos Gonzalez/AP通信)

2月7日、コスタリカ現地メディアによると、6日の大統領選で勝利に必要な40%以上の票を獲得した候補はおらず、勝敗は4月3日の決選投票に持ち越しとなった。

開票の結果、元大統領のホセ・マリア・フィゲーレス氏と元財務大臣のロドリゴ・チャベス氏が決選投票に進むことが決まった。

<コスタリカ2022大統領選 開票率100%>
ホセ・マリア・フィゲーレス 497,966票(27.26%)
・ロドリゴ・チャベス 305,157票(16.70%)
・ファブリシオ・アルバラード・ムニョス 270,800票(14.82%)
以下省略

<コスタリカ2022議会選挙 定数57 開票率100%>
・国民解放党 20議席(24.45%)
・社会民主党 9議席(14.62%)
・キリスト教統一党 10議席(11.24%)
・新共和党 6議席(9.94%)
以下省略

国民解放党のフィゲーレス氏は1994年から1998年まで大統領を務めた実績などをアピールし、票を集めた。フィゲーレス氏の父はコスタリカで最も有名な政治家であり、3期大統領を務めたホセ・フィゲーレス・フェレール氏である。

フィゲーレス氏は大統領時代に民間の通信会社アルカテルが国営電力会社と契約を争った際、同社から受け取ったとされる90万ドル(約1億円)のコンサルティング料で問題視されている。

一方、社会民主進歩党のチャベス氏は有力候補のひとりと予想されていた保守派のムニョス氏をわずかに上回り、予想外の決選投票進出を決めた。

チャベス氏は米国で教育を受けた60歳の経済学者で、世界銀行で幹部を務めていた時代に2人の女性からセクハラで訴えられている。

チャベス氏はセクハラ事件で世界銀行から降格処分を受けた後、退社した。この問題は予備選挙でも注目を集めたが、選挙期間中、チャベス氏は現職のカルロス・アルバラード大統領を痛烈に批判し、左派から支持を集めたと思われる。

チャベス氏はアルバラード政権で財務大臣を務めたものの、債務の管理をめぐって大統領と対立し、就任からわずか7カ月で辞任した。

コスタリカの国民は高失業率、汚職スキャンダル、コロナウイルスの感染再拡大、長引く不況などに不満を抱いており、総選挙より退任するアルバラード大統領の今後に注目しているようである。

国の最高検察官は退任に合わせてアルバラード大統領を裁判にかけると誓っており、免責の解除を求める書類を裁判所に提出した。

選挙管理委員会によると、投票率は約60%。投票所ではコロナ制限に基づき、マスクの着用、手消毒、社会的距離の確保が求められた。

首都サン・ホセの投票所で投票した女性はAP通信の取材に対し、「コロナが心配だったが、有権者の義務を果たすために投票した」と語った。

地元メディアの取材に応じた男性は、「政治家の汚職を厳しく取り締まる候補に投票した」と語った。「フィゲーレスは金をもらっているので信用できません。4月の決選投票が楽しみです」

コスタリカ大学政治研究センターが2月1日に公表した世論調査によると、回答者の3分の1が大統領選挙に興味がないと回答したため、1回目の投票で勝利に必要な40%を集める候補はまずいないと予想されていた。

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