◎サン・ホセの市場で働いている女性は地元メディアのインタビューの中で、「候補者が多すぎる」と語った。
2月3日、中米コスタリカは新しい大統領と議会議員を選出する選挙活動の真っただ中にあるものの、首都サン・ホセの有権者は大統領候補を冷めた目で見ている。
コスタリカ大学政治研究センターが2月1日に公表した世論調査によると、回答者の3分の1が大統領選挙に興味がないと回答したという。サン・ホセの市場で働いている女性は地元メディアのインタビューの中で、「候補者が多すぎる」と語った。
投票日は2月6日の予定で、大統領選に関しては1回目の投票で有効票の40%以上を獲得する候補がいなかった場合、上位2名の決選投票(4月3日)で勝者を決める。
コスタリカ大学政治研究センターの世論調査によると、回答者の31%がだれに投票するか決めておらず、17%が投票する候補がいないと回答した。(期間1月27日~2月1日 回答者1,006人)
同センターの政治学者ロナルド・アルファロ博士は、「多くの選択肢があり、多くの可能性がある」と述べた。
2018年の大統領選は現職のカルロス・アルバラード大統領と保守派のファブリシオ・アルバラード・ムニョス氏の一騎打ちになった。この時、多くの有権者が極右の台頭に懸念を表明し、選挙活動は異様な盛り上がりを見せた。
コスタリカの国民は高失業率、汚職スキャンダル、コロナウイルスの感染再拡大、長引く不況などに不満を抱いているが、今回立候補を表明した25人の中に有権者の興味を掻き立てる候補はいなかったようである。
4年前の決選投票で敗れたムニョス氏は今回、新共和党から立候補している。しかし、世論調査によると、支持率は10%に満たない。
ムニョス氏をわずかにリードしているのが、1940年代、1950年代、そして1970年代に大統領を務めたホセ・フィゲーレス・フェレール元大統領が設立した国民解放党の候補者ホセ・マリア・フィゲーレス元大統領である。
フィーゲレス元大統領は1994年~1998年まで大統領を務めたが、民間の通信会社アルカテルが国営電力会社と契約を争った際、同社から受け取ったとされる90万ドル(約1億円)のコンサルティング料で問題視されている。
同じく政治経験豊富なキリスト教社会同盟のリネス・サボリオ氏も10%前後の支持を集めている。サボリオ氏は2002年~2006年のパチェコ政権下で副大統領を務め、それ以前は司法調査局を率い、犯罪捜査の指揮を執っていた。
素晴らしい経歴を持つサボリオ氏は有力候補のひとりと見なされていたが、公開討論会で失言を繰り返し、支持率を落とした。
アルバーラド大統領の市民活動党から立候補した候補は支持率1%台を何とかキープしている。
コスタリカのコロナ新規陽性は先月初め頃から急激に増加し、直近1週間の平均陽性は約6,000件まで増加した。死亡者は20人以下を維持している。
AP通信よると、ある選挙管理当局者はコロナの陽性者および濃厚接触者に「投票を控えた方がよい」とソーシャルメディアで促し、別の管理当局者に叱責を受けたという。