ホンジュラス大統領選、システム不具合で開票作業一時停止、中道右派と右派の一騎打ちに
左派の与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ前国防相は約19%と大差を付けられており、今回の選挙をめぐる世論の転換を考えると与党にとって厳しい結果となっている。
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中米ホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙について、選挙管理当局は2日、「技術的問題」を理由にオンラインでの開票状況の更新を一時停止した。
現地メディアによると、開票状況の更新はその後再開し、中道右派の自由党サルバドル・ナスララ(Salvador Nasralla)前副大統領がわずかにリードしていることが明らかになった。
当局は不具合の詳細を明らかにしていない。開票作業はマスコミによる立ち会いの下で続けられている。
当局によると、開票率約62%の時点で、ナスララ氏の得票率は39.94%、右派の国民党ナスリ・アスフラ(Nasry Asfura)氏は39.83%、両者の差は約2000票と大接戦になっている。選挙の行方は依然として予断を許さない状況だ。
一方で、左派の与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は約19%と大差を付けられており、今回の選挙をめぐる世論の転換を考えると与党にとって厳しい結果となっている。
今回の混戦と中断を招いた背景には、投票終了後すぐに開票速報が出なかったこと、そしてオンラインでの集計結果の更新停止という異例の事態があった。これにより市民や各政党の間に不安と不信が広がり、「開票操作」への警戒感が強まっている。
選挙管理当局は停止の理由として「システムの不具合」を挙げたが、野党・与党ともに透明性の徹底を求めており、今後はすべての票の確認と手作業による再点検も視野に入れている。
また今回の選挙戦は直前にトランプ(Donald Trump)米大統領がアスフラ氏への支援を表明し、過去に麻薬取引で米国で刑を受けていたホンジュラス前大統領への恩赦を表明したことも注目されていた。
この「干渉」が選挙の構図に影を落とし、「ホンジュラスの自主性」「外国の圧力と民主主義」という論点が改めて浮上している。
ナスララ氏は元テレビ司会者として政治的立場を超えて幅広い支持を集めてきた。一方、アスフラ氏は首都テグシガルパの元市長で、都市開発や治安対策を訴えてきた現実主義の保守系候補だ。
結果は未確定であり、最終判定は今後すべての票が集計され、選挙管理当局が公式に発表するまで待たねばならない。
ナスララ氏がリードを維持できるか、それともアスフラ氏が逆転するか。ホンジュラスの政治の行方はこの数日間にかかっている。
