▽CKハチソンは今月初め、パナマの資産を含む228億ドルの港湾事業の大部分をブラックロック率いる連合体に売却することで合意したと発表。米政府はこれを歓迎し、中国は不満を表明した。
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香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスは中国共産党からの圧力が強まる中、パナマ運河に近い2つの港湾事業を米国の投資会社ブラックロック率いる連合体に売却する契約に来週署名しないとみられる。ロイター通信が29日に報じた。
中国の公正取引委員会は28日、公正な競争を保護し公共の利益を守るための法律に従い、パナマの港湾取引を審査すると明らかにした。
CKハチソンは今月初め、パナマの資産を含む228億ドルの港湾事業の大部分をブラックロック率いる連合体に売却することで合意したと発表。米政府はこれを歓迎し、中国は不満を表明した。
3月4日に公表された売却計画によると、最終文書は4月2日までに署名される予定である。
しかし、ロイターはこの案件に詳しい情報筋の話しとして、「ハチソンは来週、文書に署名しない」と報じた。
それによると、ハチソンと連合体は交渉を続けているとみられる。
トランプ(Donald Trump)米大統領はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
またトランプ氏は「パナマ政府が約束を破り、運河を中国に譲り渡した」と主張。返還しなければ「相応の措置を取る」と警告してきた。
パナマ運河は政府機関であるパナマ運河庁によって管理されているが、ハチソンが運河の両端にある2つの港の運営権を保有している。
パナマ運河は世界で最も交通量の多い航路のひとつ。米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理してきた。
米政府は共同管理の期間を経て、1999年に運河の管理権をパナマ政府に引き継いだ。
米国はパナマの最大の貿易相手国であり、2012年に米国・パナマ自由貿易協定(FTA)を結んでいる。