▽ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/ハイチ、首都ポルトープランスの通り(ロイター通信)-scaled.jpg)
国連児童機関(ユニセフ)は7日、中米ハイチで子供に対する性的暴力が急増していると警告した。
ユニセフの報道官はジュネーブの記者団に対し、「23~24年にかけての子供への攻撃増加は驚異的であり、武装ギャングは想像を絶する恐怖を子供たちに与えている」と語った。
また報道官はユニセフの保護下に置かれている16歳の少女に言及。「彼女はギャングとみられる武装兵に拉致され、麻薬とみられる薬を打たれ、何度も何度もレイプされた」と非難した。
それによると、少女はその後解放され、ユニセフ事務所に身を寄せているという。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
国連支援ミッションはハイチ国家警察と連携してギャングを取り締まっているが、今のところ、目に見える成果は出ていない。
国連のデータによると、住まいを失った100万人以上の5~6割が未成年である。極度の貧困に置かれた子供の一部はギャングに加入し、現在、国内で活動するギャングの半数が20歳未満と推定されている。