◎メキシコでは近年、動物愛護団体が台頭。闘牛愛好家たちは何度か挫折を味わっている。
メキシコの最高裁判所が首都メキシコシティに対する闘牛禁止令を一時的に停止した。地元メディアが28日に報じた。
市内で闘牛を主催する「ラ・プラザ・メキシコ(La Plaza Mexico)」は28日からイベントを再開する予定だ。
闘牛はメキシコの多くの地域で認められている。メキシコシティにおける動物愛護団体とラ・プラザ・メキシコの法廷闘争は紆余曲折を経て、近いうちに結審する可能性がある。
地方裁判所は2022年5月、闘牛禁止を求める動物愛護団体の訴えを支持し、団体に活動を停止するよう命じた。
しかし、最高裁は闘牛が動物愛護にどのような影響を与えるか調査し、決定を下すまでの間、中止令を無効にするとした。
この決定に別の市民団体が反発。闘牛の再開を阻止する訴えをおこした。この審理は数日以内に始まると予想されているが、28日の闘牛再開を阻止することはできない。
いくつかの動物愛護団体はメキシコシティ中心部の広場で反闘牛デモを開催。「牛を守れ」「暴力反対」などとシュプレヒコールを上げた。
メキシコでは近年、動物愛護団体が台頭。闘牛愛好家たちは何度か挫折を味わっている。
シナロア州、ゲレロ州、コアウイラ州、キンタナロー州などで動物愛護団体の訴えにより、闘牛が禁じられたり、大会が制限されるなどしている。
闘牛業界はこの禁止令が数十万人の雇用と年間数億ドルの利益を危険にさらすと主張。それによると、闘牛産業は約8万人の直接雇用と14万6000人の間接雇用を生み出しているという。