行方不明になっていたミュージシャン5人の遺体見つかる メキシコ

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万～40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

メキシコ北東部タマウリパス州の米国境近くで行方不明になっていた5人のミュージシャンの遺体が見つかった。当局が29日、明らかにした。

それによると、遺体となって発見されたのは地元のダンスイベントなどで演奏していた5人組バンド「Grupo Fugitivo」のミュージシャンたち。25日から行方不明になっていた。

タマウリパス州の検察当局は声明で、「5人は25日の午後10時頃、SUVで演奏会場に向かう途中、何者かに拉致され、捜索の結果、米テキサス州国境近くの砂漠地帯で5人の遺体を発見した」と述べた。

また当局はこの事件に関与した疑いで麻薬組織「湾岸カルテル」の一派とみられる9人の容疑者を逮捕したと明らかにした。

警察は9人の身元と認否を明らかにしていない。

一部の地元メディアが5人の遺体が焼かれていたと報じているが、真偽は不明である。

報道によると、5人のうち少なくとも3人はイベントに向かう途中、携帯電話で家族と連絡を取っていたという。その後、5人は行方不明になった。

タマウリパス州はメキシコで最も危険な地域のひとつであり、湾岸カルテルから派生した複数のギャング、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」、その他カルテルが血生臭い縄張り争いを繰り広げている。

5人の家族は警察に捜索願を出し、SNSで情報提供を呼びかけていた。また多くの市民が5人の家族と連帯するため街頭に集まり、警察に捜索を急ぐよう求めていた。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万～40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。