メキシコ中央銀行、インフレ回復にもかかわらず利下げ検討

アナリストたちは物価がコントロール下にある場合、利下げペースが鈍化する可能性があると指摘している。
メキシコ、首都メキシコシティ、中央銀行本館(ロイター通信)

メキシコ中央銀行が最近のインフレ急上昇にもかかわらず、政策金利をさらに0.5%引き下げる見込みだ。

アナリストたちは物価がコントロール下にある場合、利下げペースが鈍化する可能性があると指摘している。

国家統計局INEGIは9日、先月の消費者物価指数(CPI)を公表。25年5月のインフレ率は前年比4.42%増、市場の予想と中央銀行の目標値を上回った。4月は3.93%であった。

コアインフレ率(変動しやすい食品とエネルギー価格を除いた指標)も4.06%に上昇、ほぼ1年ぶりの高水準となった。

ロイター通信は10日、エコノミスト12人のデータを更新し、中銀が6月26日の金融政策決定会合で4回連続となる0.5%の利下げに踏み切ると予想した。

中銀は先月の金融政策決定会合で政策金利を0.5%引き下げ、8.50%に設定。22年以降で最も低い水準となった。

ロイターのエコノミストは「利下げサイクルの一時停止が最も推奨される措置」と指摘している。

メキシコのインフレ率は22年に8.7%という20年以上ぶりの高水準に達した後、中銀の目標値(2~4%)まで低下した。

中銀は先月末の四半期レポートで、国内経済の鈍化とトランプ米政権の貿易政策による不確実性を理由に、今年と来年の経済成長見通しを大幅に引き下げた。

25年のGDP伸び率はプラス0.1%と予想。2月の0.6%から引き下げた。26年のGDP伸び率も半減させ、以前の1.8%から0.9%とした。

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