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米軍、東太平洋で「麻薬密輸船」攻撃、3人生存


米軍は今回標的となった船舶について、「既知の密輸ルート上を航行していた」とし、麻薬取引に関与していたとしている。
米海軍の原子力空母ジェラルド・R・フォード(Getty Images)

米軍は20日、、東部太平洋で麻薬密輸に関与していたとされる船舶を攻撃し、少なくとも3人の生存者が確認されたと発表した。作戦を担当する米南方軍(SOUTHCOM)は攻撃直後に沿岸警備隊へ通報し、救助活動の開始を要請したと説明しているが、生存者が実際に救助されたかどうかは明らかにしていない。

今回の攻撃はトランプ政権が進める対麻薬カルテル作戦の一環である。トランプ(Donald Trump)大統領は中南米の麻薬カルテルを「外国テロ組織」と位置付け、2025年9月以降、カリブ海や東部太平洋で小型船舶を標的とする軍事攻撃を継続してきた。これまでに40回以上の攻撃が確認され、少なくとも157人が死亡したとされる。

米軍は今回標的となった船舶について、「既知の密輸ルート上を航行していた」とし、麻薬取引に関与していたとしている。しかし、実際に船内に違法薬物が存在したかどうかについて具体的な証拠は示していない。公開された映像には、航行中の船が爆発・炎上する様子が映っている。

トランプ氏はこれらの軍事行動について、米国内で深刻化する薬物過剰摂取問題への対処として「武力紛争の一環」と位置付けている。特にフェンタニルなどの合成麻薬による死亡者増加を背景に、従来の法執行中心の対策から軍事的手段へと踏み込んだ形だ。一方で、専門家の間ではその有効性に疑問が呈されている。致死的な薬物の多くはメキシコ経由の陸路で流入しており、海上攻撃が供給網全体に与える影響は限定的との指摘もある。

さらに、こうした攻撃の合法性をめぐっても議論が続いている。国際法や人権の観点から、裁判を経ない殺害は「超法規的措置」にあたる可能性があるとして、議員や法律専門家が批判を強めている。また、過去には攻撃後に生存していた人物が追加攻撃で殺害された事例も報じられ、問題視されている。

それでもトランプ政権は作戦継続の姿勢を崩していない。国防当局は海上での取り締まり強化により麻薬輸送活動の抑止効果が出ていると主張し、軍事・情報活動を組み合わせた対策を今後も続ける方針である。

東太平洋での今回の攻撃は、麻薬対策の名の下で軍事力がどこまで許容されるのかという問題を改めて突きつけた。安全保障と法の支配、人権のバランスをいかに保つかが、米国のみならず国際社会にとって重要な課題となっている。

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