メキシコ・カルテル首領殺害、各地で暴力激化、73人死亡
治安部隊が殺害したのは世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵である「ハリスコ新世代(CJNG)」の首領ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ)容疑者。軍事作戦中に死亡したとされる。
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メキシコ軍による麻薬カルテル首領殺害とその後の暴力で少なくとも73人が死亡した。当局が23日、明らかにした。この死者には治安部隊やカルテル構成員、民間人も含まれており、国の治安情勢が一段と緊迫していることが示された。
治安部隊が殺害したのは世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵である「ハリスコ新世代(CJNG)」の首領ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ)容疑者。軍事作戦中に死亡したとされる。
エル・メンチョは米国へのフェンタニルやメタンフェタミン、コカインの密輸を指揮し、政府関係者への大胆な攻撃でも知られていた。
メキシコ国防省によると、22日のエル・メンチョ追跡作戦は、その恋人の1人を通じた当局の情報に基づいて行われた。治安部隊は西部ハリスコ州タパルパの隠れ家を急襲、エル・メンチョと2人の護衛が逃走した後、森林地帯で銃撃戦となった。3人は拘束され、エル・メンチョは首都メキシコシティへ移送中に死亡したという。別地点では、作戦中に反撃を調整しとされる幹部も死亡した。
当局は声明で、死亡者の中には6件の攻撃で命を落とした治安部隊の兵士25人が含まれていると明らかにした。また、ハリスコ州で約30人の容疑者が死亡し、隣接するミチョアカン州でも4人が死亡した。さらに、刑務官と州検察庁の職員もカルテルの暴力に巻き込まれ死亡した。
当局による作戦と報復は全国の複数の州に広がり、道路封鎖や車両の放火が相次いだ。これを受けて複数の州で学校が休校となり、地方政府や各国大使館が市民に屋内待機を呼びかけた。また、ハリスコ州グアダラハラの動物園では暴力拡大の影響で1000人以上が足止めされるなど、混乱が続いた。
シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は23日、国民に冷静を促し、250を超えるカルテルによる封鎖はすでに解除されたと述べた。米政府は今回の作戦に対して情報面で支援したと認め、エル・メンチョを排除したメキシコ軍を称賛した。
しかし、専門家はエル・メンチョの死がカルテル内外の勢力争いのきっかけとなり、さらなる暴力を引き起こす可能性を指摘している。ライバル組織やCJNGの幹部たちが権力空白を埋めようとする動きが強まり、治安状況が一層不安定になるとの見方も出ている。
CJNGは2009年頃に活動を開始し、メキシコ国内で最も勢いのある犯罪組織の一つとして知られる。米国務省は2025年、同組織を外国テロ組織に指定し、その過激な手法から国境を越えた治安上の脅威と見なした。
