国連、ハイチに追加部隊派遣へ、ギャング暴力続く中
国連ハイチ特使は22日、現在派遣中の治安部隊を増強し、2026年夏までに計5500人規模にする計画を明らかにした。
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中米ハイチでギャングによる暴力と政治的混乱が深刻化する中、国連が多国籍部隊の増派を進める意向を示した。国連ハイチ特使は22日、現在派遣中の治安部隊を増強し、2026年夏までに計5500人規模にする計画を明らかにした。これは治安維持と暴力の抑止に向けた国際的な取り組みとして位置付けられる。
現在ハイチにはケニア国家警察の警察官約1000人が国連支援部隊の一員として駐留・展開している。しかし、同部隊は資金不足に悩まされ、当初想定していた戦力には遠く及んでいない。ギャングは2024年6月の初期派遣以降、首都ポルトープランスだけでなく中部や農村部まで勢力を拡大し、治安の悪化が深刻化している。
国内の治安状況は極めて厳しい。ハイチ国家警察の人数は推定約1万2000人とされる一方で、ギャング側も同数程度の戦闘員を抱えているとの試算がある。また、武器や弾薬の多くが米国から密輸されているとの指摘もあり、治安維持の難しさを物語っている。
こうした危機の最中、政治情勢も不安定さを増している。暫定政権の権限は2月7日で終了する予定だが、後継体制の公式な計画は示されていない。暫定大統領評議会内の多数派がフィスエイム(Alix Didier Fils-Aimé)首相を解任しようとする動きを見せるなど、内部対立が露呈している。成功すれば、2024年4月以降、同評議会が任命した首相の二度目の更迭となる。
国連はこうした混乱に対して「さらなる内紛を許す余裕などない」と指摘。暫定政権に残された短い期間のうちに国益に資する行動を取るよう求めた。また、後継体制について合意が得られない場合でも、憲法上は首相が職務を継続できるとの見解を示し、安定した政府の確立を強調した。
米国もハイチ情勢に強い関心を示している。国務省は選挙で選ばれたわけではない評議会メンバーがフィスエイム氏の解任を推進することは治安回復の努力を損なう可能性があると警告し、そのような行動を支持する者は米国および地域の利益に反する行為として「厳しく対応する」と述べた。
ハイチではギャングによる殺人や誘拐、集団暴行、放火といった犯罪が横行し、1400万人が国内避難民になるなど、深刻な人道危機が続いている。治安再建と政治安定化に向けた国際社会の取り組みは今後さらに重要性を増す見込みだ。
