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ハイチ首都で装甲車事故、ケニア人警察官ら10人死傷

事故はポルトープランス郊外の幹線道路で8月31日の夕方に発生。ハイチ国連支援ミッション(MSS)の装甲車2台と複数の一般車両が接触した。
2024年9月10日/ハイチ、首都ポルトープランス、銃撃戦が起きた現場近く(Getty Images)

中米ハイチの首都ポルトープランスで2台の装甲車が絡む事故があり、ケニア人警察官と民間人が死亡、ケニア人警察官8人が負傷した。当局が1人、明らかにした。

それによると、事故はポルトープランス郊外の幹線道路で8月31日の夕方に発生。ハイチ国連支援ミッション(MSS)の装甲車2台と複数の一般車両が接触した。

MSSは声明で、「死傷した10人全員がMSSの関係者であった」と明らかにした。

MSSによると、負傷した8人のうち3人は意識不明の重体。隣国ドミニカに空輸されたという。

事故の詳細は明らかになっておらず、地元警察が調査しているようだ。

この事故により、ハイチで死亡したケニア人警察官は3人となった。1人はギャングの襲撃で死亡、もう1人はギャングに拉致され、その後身体の一部が見つかり、死亡したとみられている。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。

国連安全保障理事会は8月29日、ハイチ部隊の強化・拡大を目的とする決議案の協議を開始した。

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