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▽逮捕されたのは同国の著名な人権団体クリストサルで活動する弁護士のロペス氏。18日に自宅で逮捕された。
エルサルバドルのブケレ大統領(Getty Images)

中米エルサルバドルの捜査当局が著名な人権派弁護士を国家公務員在職中の横領疑惑で逮捕した。検察庁が19日、明らかにした。

それによると、逮捕されたのは同国の著名な人権団体クリストサルで活動する弁護士のロペス(Ruth Lopez)氏。18日に自宅で逮捕された。

クリストサルはブケレ(Nayib Bukele)大統領の強硬な治安政策を厳しく批判し、同政権が公的資金を不正使用している可能性があると主張してきた。

司法省は選挙裁判所の元長官が不正蓄財の疑いで今年2月に逮捕された事件とロペス氏を関連づけた。

クリストサルは声明でロペス氏の逮捕を非難。「これはナイブ・ブケレが構築した、人権を擁護する人々に対する組織的な弾圧のひとつである」と述べた。

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万5000人を超え、うち約1万人が証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ氏はトランプ(Donald Trump)米大統領の側近となり、米国からの強制送還者を歓迎し、同国の巨大刑務所に収監している。

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