◎アフガニスタンの経済はタリバンが政権を奪取する8月15日以前からすでに不安定だった。
2021年9月12日/アフガニスタン、首都カブールの銀行前(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

アフガニスタンの現地メディアによると、国内の銀行は預金の流出を止めることができず、金融システムは崩壊の危機に直面しているという。

アフガニスタン・イスラム銀行の最高経営責任者であるサイド・ムーサ・カリーム・アル・ファラヒ氏は英BBCニュースのインタビューの中で、「国の金融システムは危機に瀕している」と述べた。「8月以来、預金の大量流出が続いています...」

アル・ファラヒCEOは、「国内の銀行はほぼ機能しておらず、預金の流出だけが続いている」と述べ、多くの銀行が経営破綻する可能性がある警告した。

アフガニスタンの経済はタリバンが政権を奪取する8月15日以前からすでに不安定だった。

世界銀行によると、金融セクターを含むアフガニスタンの経済は国際社会からの援助に大きく依存しており、援助規模は国内総生産(GDP)の約40%に達していたという。

しかし、世界銀行と国際通貨基金(IMF)はタリバン政権への援助を停止し、中央銀行の資産の大半はアメリカに凍結された。

アル・ファラヒCEOはBBCニュースに、「タリバンを関係国の助けを必要としている」と語った。「当局は中国とロシア、その他の関係国と交渉を行っています...」

中国はアフガニスタンの再建に必要な援助を提供すると約束しており、主要メディアによると、両国の外交当局者は交渉を続けているという。

中国のグローバルタイムズ紙は先日の社説の中で、「アフガニスタンの再建には大きな可能性が秘められており、中国は間違いなく主要プレイヤーになる」と述べた。

しかし、中国の一部の批評家はアフガニスタンに関わるべきではないと主張している。

イスラム国(ISIS)やその他のジハード勢力は共産主義を含むイスラム勢力以外のあらゆる国家や組織を敵と見なしている。ロシアはソビエト時代のアフガニスタン侵攻でジハード勢力と泥沼の戦争を演じ、ひどく疲弊した。

タリバンは現在、関係国から経済危機を解決するよう圧力をかけられている。通貨の暴落はインフレを加速させ、多くの国民が職を失い、銀行には預金を確保したい人々が押し寄せた。

世界食糧計画(WFP)によると、国内の世帯の約95%が食料の確保に苦労しているという。

世界銀行、IMF、中国やその他の国々の援助は金融システムだけでなく、国民の命を救う鍵になる。

西側諸国はタリバンと協力する前提条件として女性の権利の保障や、非人道的な取り締まりの禁止などを求めているが、タリバン当局は旧政権時代の恐怖政治を彷彿とさせる動きを見せており、対応を改めない限り、西側の援助を得られる可能性は低いと考えられている。

タリバンは以前の声明で、「女性はしばらくの間働くことを許可されない」と述べたが、アル・ファラヒCEOは「アフガニスタン・イスラム銀行の女性職員は仕事に戻っている」と主張した。

アフガニスタンの女性グループや人権団体は、タリバンの声明と現場の実態には大きな乖離があると指摘している。AP通信の記者は、「女性の就労と学習は厳しく制限されている」と述べ、ひどい地域では女性に対する暴力が複数報告されていると報告した。

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