◎米当局はパナマとコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡」を通過して米国を目指す移民の急増に対処できずにいる。
米国への移住を希望するベネズエラ、キューバ、ハイチなどの移民約5000人が30日、メキシコ南部チアパス州タパチュラの国境検問所を出発した。
AP通信によると、移民たちは移民管理局によるビザ発行手続きに時間がかかり過ぎていると不満を募らせていたという。
管理局によるビザ受付・審査・発行には数カ月かかることもある。
移民たちは幹線道路沿いに長い列を作りゆっくり北上した。報道によると、警察のパトカー数十台が護衛に当たったという。
警察は移民たちがバラバラに行動をすることを防いだり、ヒッチハイクをやめるよう警告した。
30日の集団移動は昨年6月以来の規模となった。
2018年と19年の集団移動も世界の注目を集めたが、ここ数週間の移動はそれを上回る規模となり、この数週間で1万人以上の移民が米国国境付近に到着したとされる。
ベネズエラ出身の男性はAPの取材に対し、「私たちは3カ月ほど旅を続けている。タパチュラでは誰も助けてくれなかった」と語った。
ベネズエラの経済状況は悪化の一途をたどっている。
米当局はパナマとコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を通過して米国を目指す移民の急増に対処できずにいる。
パナマ政府によると、今年ダリエン地峡を通過した移民は9月時点で42万人を超えたという。昨年1年は約25万人、今年はこれを大幅に上回り、50万人を超えると予想されている。