メキシコ中部で集団墓地見つかる、32人のバラバラ遺体、カルテルの「屠殺場」か
メキシコでこのような集団墓地が見つかることは珍しくない。
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メキシコ中部グアナフアト州の捜査当局が集団墓地を発見し、32人の遺体を収容、うち半数の身元を特定した。当局が5日、明らかにした。
それによると、墓地は同州イラプアト市内の敷地内で見つかったという。遺体はバラバラに切り刻まれていた。
この町は首都メキシコシティの北西約320キロに位置する。
検察当局はX(旧ツイッター)への投稿で、「法医学チームが7月30日から現場で作業を続けている」と述べた。
メキシコでこのような集団墓地が見つかることは珍しくない。
西部ハリスコ州サポパンでは6月末、集団墓地で新たに34人の遺体が見つかった。
この墓地は今年2月に発見され、当局が捜査していた。
遺体を発見したのは建設工事を行っていた業者で、警察がその後の捜査で169個の袋に詰められた遺体を収容した。
今年3月には行方不明者を捜索するNGOがハリスコ州郊外にある施設で何百もの靴やリュックサックなどの所持品とともに、数百の人骨を発見した。
この施設は世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵であるハリスコ新世代が運営し、「人間屠殺場」と名付けられた。
グアナフアト州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、シナロア・カルテル、ハリスコ新世代、湾岸カルテルなどが支配権をめぐって長年抗争を繰り広げてきた。
地元メディアによると、グアナフアト州では今年1月から7月までに1500件を超える殺人事件が確認されている。
グアナフアト州の昨年の殺人認知件数は3100件超。州別で最多、全国総数の10.5%を占めた。
メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。