ハイチの警察施設でドローン爆発、警察官2人死亡
事故は今年3月から攻撃ドローンを運用している特殊部隊の訓練施設で19日の夜に発生。爆弾は誤って爆発したとみられ、警察が原因を調べている。
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中米ハイチ・ポルトープランス近郊の警察施設で爆発物搭載ドローンが爆発し、警察官2人が死亡、2人が重傷を負った。当局が20日、明らかにした。
それによると、事故は今年3月から攻撃ドローンを運用している特殊部隊の訓練施設で19日の夜に発生。爆弾は誤って爆発したとみられ、警察が原因を調べている。
この部隊は首都ポルトープランスの大部分と周辺地域を支配するギャングと戦うためにドローンを運用している。
首相府は声明で、「事故は19日の夜、丘陵地帯のケンスコフ地区にある警察基地で発生した」と述べた。
また首相府は「住民が善意で持ち込んだカミカゼドローン(自爆ドローン)が現場で爆発し、2人の警察官が死亡、2人が重傷を負った」と明らかにした。
ロイター通信は情報筋の話しとして、「この爆発で警察官6人が負傷した」と報じている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。
政府と契約を結び、ハイチ国家警察を支援しているエリック・プリンス(Erik Prince)氏もドローン部隊を投入している。
プリンス氏は民間軍事会社ブラックウォーターUSAの創設者である。
ブラックウォーターUSA(現アカデミ)はイラク戦争などで活動。2007年に首都バグダッドで発生した民間人射殺事件で世界的に知られるようになった。