米民主党議員がトランプ政権の対キューバ制裁を非難「経済爆撃やめろ」
キューバでは現在、燃料不足が国家全体に深刻な影響を及ぼしている。
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米国の連邦議会議員2人がキューバを訪問し、同国に対するトランプ政権のエネルギー封鎖の影響を「経済爆撃」と批判した。深刻化する燃料不足と人道危機を目の当たりにしたとして、制裁の見直しと両国関係の改善を求める声が上がっている。
訪問したのは民主党のジャヤパル(Pramila Jayapal)下院議員とジャクソン(Jonathan Jackson)下院議員で、5日間にわたり首都ハバナなどを視察し、ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領や政府高官と会談した。現地での経験を踏まえ、両議員は共同声明で、米国によるエネルギー供給の遮断がインフラや市民生活に「恒久的な損害」を与えていると指摘し、「残酷な集団的懲罰に等しい」と非難した。
キューバでは現在、燃料不足が国家全体に深刻な影響を及ぼしている。発電用燃料の不足により停電が常態化し、公共交通の麻痺、病院機能の低下、労働時間の短縮など、社会基盤が大きく揺らいでいる。ガソリンの供給制限や配給の強化も進み、市民生活は厳しさを増している。
こうした状況の背景には、米国が強化した対キューバ制裁、とりわけ石油供給を制限する措置がある。2026年以降、トランプ政権はキューバに石油を供給する第三国に対して制裁や関税を課す可能性を示し、メキシコやベネズエラからの供給がストップした。その結果、輸入に依存するキューバのエネルギーは急速に逼迫した。
ジャヤパル氏は記者団に対し、キューバ政府が国外在住キューバ人による投資の受け入れ拡大や、2000人以上の受刑者恩赦、米連邦捜査局(FBI)との協力など、一定の改革や譲歩を示している点に言及し、「今こそ真剣な交渉を行う時だ」と強調した。また、長年続く対キューバ政策は冷戦時代の遺物であり、米国民とキューバ国民双方に利益をもたらしていないと批判した。
一方、ジャクソン氏は今回のエネルギー封鎖を中東のホルムズ海峡封鎖になぞらえ、「燃料の流れを妨げるべきではない」と述べ、人道的観点からもエネルギー供給の確保が必要だと訴えた。
キューバ政府も対話の意思を示している。ディアスカネル氏は会談後、米国による封鎖が「犯罪的な損害」をもたらしていると批判する一方、相違点の解決に向けた責任ある対話に応じる用意があると表明した。両国は高官レベルでの接触を認めているが、具体的な交渉内容は明らかになっていない。
ただし、米側には強硬な姿勢も残る。エネルギー供給を巡る圧力は政権の対キューバ政策の中核で、民主化や体制変革を促す手段として制裁を維持している。こうした中、キューバ国内では経済悪化に伴う不満が高まり、停電や物資不足を背景に抗議活動も発生している。
議員らは帰国後、今回の視察結果を報告書としてまとめ、制裁緩和に向けた立法措置を議会で検討する方針を示した。燃料不足による人道的影響が拡大する中、対立を続けるのか対話へ転じるのか、米国の対キューバ政策は岐路に立たされている。
