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メキシコ海軍の艦船2隻がキューバに入港、人道支援物資届ける

支援船が入港したのはトランプ米大統領がキューバに石油を供給する国に対し関税を課すと警告してから約2週間後のことである。
2026年2月12日/キューバ、首都ハバナの港(AP通信)

人道支援物資を積んだメキシコ海軍の輸送艦2隻が12日、キューバの首都ハバナに到着した。両艦はハバナの湾に入港し、米国による圧力強化がもたらす燃料不足への対応として食料や衛生用品を届けた。

支援船が入港したのはトランプ(Donald Trump)米大統領がキューバに石油を供給する国に対し関税を課すと警告してから約2週間後のことである。この警告により、石油供給が滞り、キューバ共産党は電力や燃料の配給制限を導入した。

メキシコ政府によると、1隻目の艦には牛乳、米、豆、サーディン、肉製品、クッキー、ツナ缶、植物油など約536トンの食料と、衛生用品が積まれていた。もう1隻は粉ミルク約277トンを届けたという。これらの物資はエネルギー不足に苦しむキューバ国民の日常生活を支える目的で送られた。

港で支援物資の到着を見守っていた34歳の男性はAP通信の取材に対し、「こういった支援はキューバ市民にとって非常に重要だ」と述べ、「多くの市民が困難な状況下にあり、どれだけこの状態が続くか分からない」と話した。

ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領はトランプ政権の措置を「エネルギー封鎖」と表現し、交通機関、病院、学校、観光業、食料生産など幅広い分野に深刻な影響をもたらしていると指摘した。航空機が島内で燃料を補給できない状況も報告され、カナダ航空がキューバへの直行便を一時停止するなど、航空サービスにも混乱が生じている。

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は12日、2隻が帰還次第、さらなる支援物資を送る意向を表明し、計1500トンの豆や粉ミルクの追加支援を計画していると明らかにした。またシェインバウム氏は人道支援と並行して、石油の供給再開に向けた外交的な対話を米国と模索していると強調した。

シェインバウム政権はキューバが日常的な運営に必要な原油やその派生品を受け取れるよう、平和的な対話の促進を目指していると説明している。一方で、国営石油会社ペメックスは1月にキューバへの原油出荷を停止し、その理由については明確な説明をしていない。

キューバはベネズエラからの石油供給に大きく依存してきたが、これも停止し、エネルギー不足が深刻化、さらなる悪化が懸念されている。停電が常態化し、銀行の営業時間短縮や文化イベントの中止、燃料販売の制限など、市民生活への影響が広がっている。米国の制裁措置は2024年3月から2025年2月までの間に約75億ドルの経済的損失をキューバにもたらしたと共産党は説明している。

メキシコによる支援はキューバ国民の苦境を和らげる一方で、米国との外交的な緊張関係を背景に複雑な国際情勢の中で進められている。米国とキューバ、さらにはメキシコがどのように対話を続けるかが、今後のエネルギー供給と地域の安定に影響を与える可能性がある。

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