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メキシコ・カンクン近郊で16人分の人骨見つかる、麻薬カルテルが遺棄か

メキシコでこのような「集団墓地」が見つかることは珍しくない。
2025年3月14日/メキシコ、西部ハリスコ州、麻薬カルテル「ハリスコ新世代」が運営する施設入り口(AP通信)

メキシコ・キンタナロー州の人気リゾート地カンクン近郊で少なくとも16人分の人骨が見つかった。地元当局が10日、明らかにした。

それによると、骨はカンクン近郊の10カ所で見つかり、いずれもセメントで覆われていたという。

キンタナロー州検察は声明で、「16人分の人骨は麻薬カルテルの秘密墓地とみられる場所で見つかった」と述べた。

また検察は「犠牲者の数は増える可能性があり、捜査員たちが残り5カ所の調査を進めている」と明らかにした。

メキシコでこのような「集団墓地」が見つかることは珍しくない。

中部グアナフアト州で8月、カルテルの墓地から32人の遺体が収容された。

西部ハリスコ州サポパンでは6月末、集団墓地で34人の遺体が見つかった。この墓地は今年2月に発見され、当局が捜査していた。遺体を発見したのは建設工事を行っていた業者で、警察がその後の捜査で169個の袋に詰められた遺体を収容した。

3月には行方不明者を捜索するNGOがハリスコ州郊外にある施設で何百もの靴やリュックサックなどの所持品とともに、数百の人骨を発見した。

地元メディアによると、キンタナロー州で集団墓地が見つかったのは初めて。同州は麻薬取引の重要拠点であり、移民の違法入国も多発する地域であるため、複数の麻薬カルテルが支配権を争っている。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

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