メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は11万5000人以上と推定されている。
2024年11月8日/メキシコ、南部ゲレロ州チルパンシンゴ、麻薬カルテルの暴力に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

メキシコ南部ゲレロ州チルパンシンゴ市内で11人の遺体が見つかった事件について、犠牲者の1人である14歳少年が誘拐犯に向かって証言する動画がネット上に拡散した。

麻薬カルテル「ロス・アルディジョス」の戦闘員が公開したとみられる動画には、やせ細り、両手をロープで縛られ、「敵対する組織のために働いている」と証言する少年の姿が映っていた。

現地メディアによると、この少年は6日夜に見つかった11人の遺体のうちの1人であることが確認されたという。

少年は周囲を警戒し、発言を強要されているように見える。

当局は8日、14歳の少年が犠牲者の1人であることを確認したと声明を出した。11人のうち4人が未成年者であった。

チルパンシンゴの人口は約30万人。長い間、ロス・アルディジョスと対立するカルテル・ギャングによる血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。

少年の家族は10月21日、日用品を売るためにチルパンシンゴの青空市場を訪れていた。家族によると、少年はこの時、ロス・アルディジョスに誘拐されたという。

11人が殺害された経緯は分かっておらず、陸軍と警察が調べている。

ゲレロ州は同国で最も危険な地域のひとつであり、ロス・アルディジョスなどの麻薬カルテルやギャングが10年以上前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。

先月初めには9月末に就任したばかりのアルコス(Alejandro Arcos)前市長の斬首遺体が見つかった。

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