▽首都ポルトープランスの少なくとも6地区でギャングによる襲撃事件が相次ぎ、1万2971人が住居を失った。
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国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は2月28日、中米ハイチの最近のギャング暴力により、約1万3000人が住居を失ったと明らかにした。
それによると、首都ポルトープランスの少なくとも6地区でギャングによる襲撃事件が相次ぎ、1万2971人が住居を失ったという。
この6地区ではギャング間抗争が激化し、銃撃や放火が多発。多数の死傷者が報告されているが、被害の規模は明らかになっておらず、警察と国連支援ミッションも近づけずにいる。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
OIMは最新のレポートで、「少なくとも6地区の住民が攻撃の対象となり、1万2971人が強制移住を余儀なくされ、その一部は放火などにより資産を失った」と述べた。
国連によると、この抗争は2月14日頃から始まり、6地区に拡大。その全てがギャングの支配下に置かれたとみられる。
住民たちは自宅を捨て、政府が管理する避難所に逃げ込んだという。
国連支援ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。
米国やその他の国々は昨年6月に始まった同ミッションの人員と資源が不足しているとして、平和維持活動(PKO)への格上げを提案している。