◎チルパンシンゴの人口は約30万人。長い間、ロス・アルディジョスと対立するカルテル・ギャングによる血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。
メキシコ南部ゲレロ州チルパンシンゴ市内で11人の遺体が見つかった事件について、捜査当局は8日、行方不明者の捜索を続けていると明らかにした。
この事件は6日に発生。幹線道路沿いに不審なトラックが放置されているという通報が警察に入り、車内を調べたところ、4人の未成年者を含む11人の遺体が見つかった。
11人のうち1人は14歳の少年で、ゲレロ州に拠点を置く麻薬カルテル「ロス・アルディジョス」に誘拐されたとみられる。
警察は少なくとも13人が事件に巻き込まれ、うち11人が殺害されたとみて捜査している。
少年の家族は10月21日、日用品を売るためにチルパンシンゴの青空市場を訪れていた。家族によると、少年はこの時、ロス・アルディジョスに誘拐されたという。
少年の親族は10月27日、この少年を探しに行ったきり、連絡が取れなくなっている。警察はこの4人も誘拐されたとみて捜査している。
地元テレビ局は関係者の話しとして、「6日に見つかった11人の遺体の中に、消息不明になった少年の親族4人は含まれていない」と報じた。
検察当局は8日、「警察官と陸軍兵士がドローンなどを投入して行方不明者の捜索を続けている」と声明を出した。
軍はヘリ部隊も投入。行方不明者の情報に5万ドルの報奨金をかけている。
11人の遺体は首都メキシコシティとリゾート地アカプルコを結ぶ幹線道路に放置されたトラックの中に遺棄されていた。死因は明らかになっていない。
チルパンシンゴの人口は約30万人。長い間、ロス・アルディジョスと対立するカルテル・ギャングによる血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。
この抗争の結果、何百件もの凄惨な殺人事件が発生した。
先月初めには9月末に就任したばかりのアルコス(Alejandro Arcos)前市長の斬首遺体が見つかった。
カルテルは暴力の根絶を訴える首長や首長候補、対立する組織の構成員を見せしめに殺害する。