◎新通貨ZiGは8日に発行される予定だったが、今月30日まで延期となり、米ドルが市場を支配した。
アフリカの女性(Getty Images)

ジンバブエの新通貨ZiGの発行が遅れ、米ドルが市場を席捲している。現地メディアが15日に報じた。

それによると、国内の多くの投資家がRTGSドル(ジンバブエ・ドル)の暴落を見越して、売りに走っているという。

新通貨ZiGは8日に発行される予定だったが、今月30日まで延期となり、米ドルが市場を支配した。

首都ハラレの国営テレビは専門家の話しとして、「中央銀行は新通貨が安定をもたらし、インフレを抑制すると期待しているようだが、それを実現するためには規律と誠実さが必要不可欠である」と伝えている。

中銀は今月初め、金に裏打ちされた新通貨ZIGを新たに導入すると発表。この時、RTGSドルは「1米ドル=2万8720RTGSドル」で取引されていた。

ハラレで露天を営む男性は地元ラジオ局の取材に対し、「私は子供の学費を支払うためにRTGSドルを貯めていましたが、それは近々紙くずになると友人に言われ、大急ぎで米ドルに変えました」と語った。

消費者庁によると、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で55.3%増。過去3カ月を大きく上回り、インフレが加速するという懸念が高まっている。

ジンバブエ通貨の信頼は2008年のハイパーインフレでその価値を一掃して以来、低迷している。

当時のインフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。

2009年に発足した連立政権はジンバブエ・ドルを廃止し、米ドルと南アフリカの通貨ランドを法定通貨に採用。その後、2019年にRTGSドルを導入し、その価値は米ドルと等価であると規定した。

市民は新通貨ZiGが進行中のインフレをどの程度抑制できるのか、心配そうに見守っている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク