◎ジンバブエ通貨の信頼は2008年のハイパーインフレでその価値を一掃して以来、低迷している。
ジンバブエの新通貨ZiG紙幣(Getty Images)

ジンバブエの新通貨ZiG(ジンバブエ・ゴールドの略)が4月30日に発行された。中央銀行は国内すべての銀行に新紙幣と硬貨を送ったと伝えられている。

ZiGは8日に発行される予定であったが、30日まで延期となり、米ドルが市場を支配している。

ZiGの最高額面は200ZiG紙幣。闇市場では「1ドル=約15ZiG」で取引されている。

地元メディアによると、当局の指示により、個人は週に3000ZiGまで、民間企業には3万ZiGの引き出し制限が課されたという。

旧通貨RTGSドル(ジンバブエ・ドル)を交換しに来たという男性は首都ハラレの銀行前でメディアの取材に対し、「闇市場で偽ZiG札が出回っているという噂を聞き、本物を確かめにきたのです」と語った。

中央政府はこの新通貨導入で深刻化するインフレに対処すると主張している。

しかし、新通貨は多くの問題を抱えているようだ。デジタルZiGはすでに闇市場で米ドルに対し25%も下落している。

ジンバブエが過去10年間で導入した通貨はこれで3つ目。中銀によると、ZiGは金と外貨準備に裏打ちされ、その価値を守ることできるという。

ジンバブエ通貨の信頼は2008年のハイパーインフレでその価値を一掃して以来、低迷している。

当時のインフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。

2009年に発足した連立政権はジンバブエ・ドルを廃止し、米ドルと南アフリカの通貨ランドを法定通貨に採用。その後、2019年にRTGSドルを導入し、その価値は米ドルと等価であると規定した。

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