◎対象は10歳未満の児童約400万人。変異株に対応したワクチンを接種する。
ジンバブエの保健当局が20日、緊急ポリオワクチン接種キャンペーンをスタートさせた。
対象は10歳未満の児童約400万人。変異株に対応したワクチンを接種する。
保健当局は通常の経口生ワクチンを接種した児童少なくとも3人が変異株に感染したと報告。10歳の少女が先月、半身不随になった。
それによると、首都ハラレを含む複数の地域の下水道で昨年末に変異株が検出されたという。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。
専門家によると、ワクチンに含まれる生きたポリオウイルスが稀に変異し、新たな流行を引き起こす可能性があるという。
世界保健機関(WHO)が1988年にポリオ撲滅に向けた世界的な取り組みを始めて以来、世界のポリオ患者は99%以上減少した。
ジンバブエのワクチン接種チームはより多くの変異株対応ワクチンを届けるため、戸別訪問を実施している。
当局は声明で、「変異株に対応した新しいワクチンを使用するのは今回が初めてであり、ワクチン内のウイルスが変異するリスクを減らすために特別に設計されたものである」と明らかにした。
当局は今月と来月の2回に分けて、10歳未満の児童約400万人に1000万回分以上のワクチン接種を目指している。