ロシア軍に徴用、ジンバブエ人15人死亡 ウクライナ戦争
ジンバブエ大統領府の報道官は記者会見で、「被害者の多くが高収入で安全な仕事を提示され、主にSNSを通じて勧誘された」と説明した。
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アフリカ南部・ジンバブエ政府は25日、ロシア・ウクライナ戦争に関連して、自国民15人が死亡したと発表した。それによると、この15人はロシア軍の募集ではなく、虚偽の求人を用いた詐欺的な勧誘によって渡航し、戦地に送られ、戦死したとされる。
大統領府の報道官は記者会見で、「被害者の多くが高収入で安全な仕事を提示され、主にSNSを通じて勧誘された」と説明した。しかし実際には、ロシア到着後に旅券を取り上げられ、十分な訓練もないまま前線に送られたという。報酬が支払われないケースも多く、負傷や死亡に至っても支援はほとんど得られない状況に置かれていた。仲介業者は責任を負わず、連絡が取れなくなる例も相次いでいる。
現在も66人のジンバブエ人が戦闘地域に取り残されており、政府は帰還の実現に向けて外交ルートを通じた対応を進めている。死亡した15人の遺体の送還も大きな課題となっている。ジンバブエはロシアと比較的友好関係にあるが、今回の問題は国民保護の観点から看過できず、政府は実態解明と再発防止に取り組む姿勢を示している。
同様の被害はジンバブエにとどまらない。南アフリカやケニア、ナイジェリアなどでも虚偽の求人や訓練名目で渡航した人々がロシア側で戦闘に投入される事例が報告されている。南アでも死亡者が確認され、ケニアでは最大1000人が関与した可能性も指摘されている。こうした事例は、アフリカ各国に広がる共通の問題となりつつある。
ウクライナ側の推計では、ロシア側で戦闘に関与したアフリカ出身者は1700人以上に上る可能性がある。多くは就労や留学を装った募集に応じて渡航し、その後軍事契約へと転用されるケースが確認されている。背景には、失業や貧困といった社会経済的要因につけ込む国際的な人身売買ネットワークの存在があるとみられる。
戦争の長期化に伴い、外国人の動員や搾取が拡大している。今回のジンバブエ政府の発表は、戦場の外側で進行する人身取引の問題を浮き彫りにした。各国政府は注意喚起や取り締まりを強化しているものの、SNSを利用した勧誘は巧妙化しており、被害の防止には国際的な連携と監視体制の強化が不可欠である。
