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ジンバブエ政府、大統領の任期延長を含む「憲法改正案」閣議決定

承認された草案は憲法を改正し、現行の5年とする大統領任期を7年に延ばす内容を含み、成立すればムナンガグワ氏は2030年まで政権を維持できる可能性が出てきた。
ジンバブエのムナンガグワ大統領(Getty Images/AFP通信)

ジンバブエ政府は10日、ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa、83歳)大統領の任期を延長する憲法改正案を閣議決定した。承認された草案は憲法を改正し、現行の5年とする大統領任期を7年に延ばす内容を含み、成立すればムナンガグワ氏は2030年まで政権を維持できる可能性が出てきた。草案ではまた、大統領選挙を国民の直接投票ではなく議会による選出とする条項も盛り込まれており、これまでの選挙制度に大幅な変更を加えることが想定されている。こうした動きについて、国内外で批判が強まっている。

閣議後、報道官は記者会見で、この法案は議会での審議に付される前に国会議長への送付および官報での公示が行われると説明した。法案が正式に発議されると、議会での採決が行われる。ムナンガグワ氏の与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)は上下両院で3分の2以上の議席を占め、憲法改正を単独で成立させることができる。ZANU-PFは1980年の独立以来一貫して政権を維持している。

ムナンガグワ氏は現在83歳で、来るべき任期満了は2028年である。2017年に独裁者ムガベ(Robert Mugabe)前大統領を軍事クーデターで排除し、その後大統領に就任した。今回の法案は、その後の継続的な支配体制を法的に裏付けようとするもので、反対派は政治的な不安定化を招く恐れがあるとして強く反発している。反対派の有力政治家のひとりは、「今回の閣議決定は政治的に不安定を助長するものだ」と述べ、法的専門家や地域パートナーと連携し、この改正に対抗する方針を明らかにした。

一方、専門家の中には、今回の改正が憲法の枠内で行われるべきだとの見解も出ている。憲法学者らは、現行の憲法が大統領の任期を2期までと規定しているが、任期そのものの長さは法改正によって変え得ると指摘し、特に国民投票を必要とせず議会の3分の2以上の賛成で成立させることが可能との解釈も示している。こうした見方はZANU-PF側に法的根拠を与え、改正案の成立を後押しする可能性がある。

しかし、国内の市民団体や宗教指導者の一部は、任期延長の動きに強い懸念を示している。キリスト教団体の指導者らはムナンガグワ氏に対し、憲法の精神を尊重し任期延長を求める圧力に屈しないよう訴え、国民の政治的権利を守る必要性を強調している。このような政治情勢はジンバブエ国内の政治的緊張を高め、国際社会からの注目も集まっている。

ムナンガグワ政権の支持者は、任期延長が政治的安定と経済成長を促進すると主張する一方、批判者は民主主義原則の後退や権力集中につながると警告している。今後、憲法改正案が議会でどのように扱われるかが、ジンバブエの政治的将来に大きな影響を与えるとみられる。

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