国連WFP「カメルーンで壊滅的な飢餓が発生する」警告
現在、カメルーンでは約330万人が人道支援を必要としており、国内避難民だけでも200万人以上にのぼる。
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国連世界食糧計画(WFP)は5日、資金を確保できなければカメルーンで「破滅的な飢餓」が起きる可能性があると警告した。
WFPのカメルーン代表は首都ヤウンデの記者団に対し、「少なくとも6700万ドルの追加資金が得られなければ、これまでに得られてきた飢餓削減の進展が後退する」と語った。
現在、カメルーンでは約330万人が人道支援を必要としており、国内避難民だけでも200万人以上にのぼる。しかし、資金不足の影響で2026年1月以降、5万2000人以上の子どもが学校給食を受けられなくなる可能性が示されており、5か所のWFP事務所を閉鎖する見通しである。これにより、50万人以上が食料や栄養支援を失う恐れがあるという。
また、WFPが今年カメルーンで受け取った支援額はわずか2000万ドルと、2022年の1億600万ドルから激減している。この大幅な資金削減は武装勢力の攻撃、英語圏地域での分離主義紛争、中央アフリカ共和国からの難民流入、さらに気候変動に伴う異常気象など、複数の危機が同時進行する中で起きている。
WFPはこれまで難民、国内避難民、貧困家庭などに対して、命をつなぐ食料援助、栄養支援、学校給食を提供してきた。しかし、資金が底をつけば、これらすべての支援が停止され、特に子どもや母親、難民といった弱者が最も深刻な影響を受けると警告している。
WFPは「今が危機を食い止めるか、飢餓の大惨事に陥るかの瀬戸際だ」とし、国際社会に対して緊急の追加支援を強く呼びかけた。
カメルーンだけでなく、西・中央アフリカ全域で資金不足が広がる中、この警告は深刻な食料安全保障の崩壊を示すものとして、国際社会からの反応が求められている。
