◎M痘(エムポックス)は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
世界保健機関のテドロス事務局長(Salvatore-Di-Nolfi/AP通信)

世界保健機関(WHO)は14日、アフリカのコンゴ民主共和国などでM痘(エムポックス)の感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)も前日、同様の宣言を行っている。アフリカ大陸でM痘のワクチンを入手することは困難である。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~10%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

アフリカCDCは国際社会に支援を拡充するよう呼びかけていた。

WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は声明で、「M痘がアフリカ内外でさらに広がる可能性があり、非常に心配している」と述べた。

アフリカCDCによると、今年M痘の患者が確認された国は13カ国。全患者と死者の96%以上がコンゴで報告されている。

昨年の同時期に比べると、感染者は160%、死者は19%増加。これまでに1万人4000人以上が感染し、524人が死亡している。

アフリカCDCによると、コンゴで初めて確認されたM痘の変異株の死亡率は3~4%。

WHOは2022年、欧米の先進国を含む70カ国以上でM痘が確認されたことを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言。その時の死亡率は1%未満であった。

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