◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
世界保健機関(WHO)のアフリカ支部は2日、アフリカ大陸でコレラが蔓延していることを受け、国際社会に支援を強化するよう呼びかけた。
コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。
アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、一部の地域で大雨による冠水被害が多発し、コレラの発生リスクが高まっているという。
WHOアフリカの報道官は声明で、「コレラの潜伏期間は短く、汚染された水源が多くなるほど感染リスクが高まり、パンデミックを引き起こす可能性がある」と警告した。
WHOによると、アフリカの54カ国のうちコレラが確認されたのは12カ国。南アフリカ、タンザニア、ジンバブエは最近感染者を報告した。
マラウイの死者数は数百人に達し、過去最悪の流行に直面している。
今年2度サイクロン被害を受けた島国マダガスカルでも感染者が増加傾向にある。
WHOによると、マラウイなどの南アフリカ諸国で降水量が増えつつあり、冠水被害に遭った地域でコレラ患者が増加しているという。
またWHOは「コレラ菌は暖かい水の中でより早く繁殖するため、地球温暖化がコレラの流行を後押しする可能性が高い」と警告している。
WHOによると、これまでに340万回分の経口生コレラワクチンがケニア、コンゴ民主共和国、患者が増加しているアフリカ南部のモザンビークに送られたという。
アフリカ大陸では世界的な需要増に伴い、コレラワクチンが不足している。シリア、アフガン、レバノンなどで感染者が確認されている。