◎ニジェールはサヘル紛争における西側諸国の最重要同盟国だったが、クーデターで様相が一変。軍政は欧米諸国との関係を断ち切り、ロシアに急接近している。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の裁判所は7日、経済制裁の解除を求めるニジェール軍政の訴えを棄却した。
ECOWAS共同体裁判所は判決の中で、「同政権は違憲であり、そのような要請を行う権限がない」と断じた。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ECOWASはニジェールを除名処分とし、加盟国との国境封鎖、金融取引停止、資産凍結などの制裁を科した。
隣国ナイジェリアはニジェールへの電力供給を停止している。
軍政はこの経済制裁によって食料や医薬品の供給が制限され、市民生活に深刻な影響が出ているとして、ECOWAS共同体裁判所に異議を申し立てた。
同裁判所の判事は「クーデターにより誕生した政権は違憲であり、同裁判所に要請を行う権限がない」と述べた。
ニジェールはサヘル紛争における西側諸国の最重要同盟国だったが、クーデターで様相が一変。軍政は欧米諸国との関係を断ち切り、ロシアに急接近している。
バズム氏とその家族は今も軍政の拘束下にある。