◎ニジェールはサヘル紛争における西側諸国の最重要同盟国だったが、クーデターで様相が一変。軍政は欧米諸国との関係を断ち切り、ロシアに急接近している。
2023年8月6日/ニジェール、首都ニアメ、軍政を支持する人々(Getty Images)

ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の裁判所は7日、経済制裁の解除を求めるニジェール軍政の訴えを棄却した。

ECOWAS共同体裁判所は判決の中で、「同政権は違憲であり、そのような要請を行う権限がない」と断じた。

大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

ECOWASはニジェールを除名処分とし、加盟国との国境封鎖、金融取引停止、資産凍結などの制裁を科した。

隣国ナイジェリアはニジェールへの電力供給を停止している。

軍政はこの経済制裁によって食料や医薬品の供給が制限され、市民生活に深刻な影響が出ているとして、ECOWAS共同体裁判所に異議を申し立てた。

同裁判所の判事は「クーデターにより誕生した政権は違憲であり、同裁判所に要請を行う権限がない」と述べた。

ニジェールはサヘル紛争における西側諸国の最重要同盟国だったが、クーデターで様相が一変。軍政は欧米諸国との関係を断ち切り、ロシアに急接近している。

バズム氏とその家族は今も軍政の拘束下にある。

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